国際情報

スピード開催の理由、コンサートは辞退続出…チャールズ国王戴冠式、知っておきたい7つのコト

 イギリスの国王チャールズ3世の戴冠式まであと2週間ほど。挙行が近づくにつれ、少しずつ式の詳細が明らかになってきた。英王室ジャーナリスト・多賀幹子さんの解説のもと、式の全容を7つのポイントに分けてわかりやすく解説。意外なトリビアとあわせて読めば、違った楽しみ方ができるかも?

【教えてくれる人】
多賀幹子さん/英王室ジャーナリスト。お茶の水女子大学文教育学部卒業。1983年よりニューヨークに5年、1995年よりロンドンに6年ほど住む。著書『英国女王が伝授する70歳からの品格』(KADOKAWA)が発売中。

【1】準備期間8か月“スピード開催”の理由

(写真/GettyImages)

(写真/GettyImages)

 戴冠式は“君主の即位を公式に認める”という意味を持つ。その準備は、エリザベス女王の逝去後、スピード感をもって進められたという。

「エリザベス女王の場合は父・ジョージ6世が亡くなってから約1年4か月後に戴冠式が行われました。しかし、今回は女王の逝去後8か月での開催。チャールズ国王の74才という年齢を考えても、1〜2年先まで先延ばしにできなかったのでしょう。エリザベス女王の生前から次の戴冠式に向けて、ある程度の準備もしていたようです」(英王室ジャーナリストの多賀幹子さん・以下同)。

 英国史上最高齢で即位したチャールズ国王。昨年5月のイギリスの世論調査では18〜24才の支持率が29%と低迷していたこともあり、戴冠式で若年層へアピールできるのかも注目だ。

【2】メーガンさんは欠席、ヘンリー王子は“弾丸直帰”

(写真/GettyImages)

(写真/GettyImages)

 大きな注目を集めていたヘンリー王子夫妻の「出欠問題」。しかし、4月12日、英王室は“王子のみ出席”と発表した。

「式の当日5月6日は夫妻の息子・アーチー王子の4才の誕生日。メーガンさんは“子供の誕生日に不在なんて考えられない”という理由で式を欠席、アメリカにとどまることを決めたそうです。しかし、これを“言い訳”と受け取る人も多い。国民からのブーイングやロイヤルファミリーからの冷遇を避けたとも考えられます。

 一方、ヘンリー王子は“ソロ出席”。ロンドンはロサンゼルスよりも8時間進んでいます。飛行時間は約10時間ですので、戴冠式後にとんぼ返りすれば、自宅での夕食パーティーやおやすみのキスに間に合う計算です。そのため、式の後に“弾丸直帰”するそうです」。

【3】“王冠はリサイクル”。時勢にあわせたスリム化断行

(写真/GettyImages)

写真は1953年、エリザベス女王の戴冠式(写真/GettyImages)

「国内のインフレで厳しい経済状況を考慮し、国王はいくつもの“スリム化”を図りました。招待数は8000人から2000人に縮小、式典時間は3時間から1時間へ。服装もタキシードやイブニングドレスといった正装をやめ礼服OKに。さらに、カミラ王妃が使用する王冠は新調せず、エリザベス女王の祖母・メアリー王妃の王冠をリサイクルすると発表され、国民から称賛されました」

【4】冷暖房完備の「最新式・金色の馬車」

(写真/アフロ)

写真は1953年、エリザベス女王の戴冠式(写真/アフロ)

1066年以来38回の戴冠式が行われたウェストミンスター寺院で、「承認」「宣誓」「塗油」「認証」「戴冠」「忠誠の誓い」という6つのプロセスを執り行う(写真/GettyIm

1066年以来38回の戴冠式が行われたウェストミンスター寺院で、「承認」「宣誓」「塗油」「認証」「戴冠」「忠誠の誓い」という6つのプロセスを執り行う(写真/GettyIm

 儀式はスリム化された一方、移動手段は“グレードアップ”。

「国王夫妻がバッキンガム宮殿からウェストミンスター寺院まで往復する際には2台の馬車が使用されます。行きはエリザベス女王在位60周年を記念して作られた『ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ』。冷暖房付き、窓は電動式という最新式です。帰りは300年ほど前に作られた馬車『ゴールド・ステート・コーチ』を使用します」

【5】歴史上初! “未来の国王”ジョージ王子の出席

(写真/GettyImages)

(写真/GettyImages)

 ウイリアム皇太子とキャサリン皇太子妃の長男・ジョージ王子の戴冠式出席も決定。チャールズ国王の孫にあたる王子は“未来の国王”でもある。王位継承権順位第2位の王子が出席するのは歴史上初のことだという。

【6】日本からは秋篠宮ご夫妻がご出席

秋篠宮夫妻

秋篠宮夫妻(宮内庁提供)

英王室はインスタグラムで戴冠式の招待状を公開。チャールズ国王とカミラ王妃のイニシャル「C」が上段中央にあしわれている。また2人の紋章と共に草花や昆虫、鳥などが散りばめられ、春と再生を象徴する明るい図柄になっている

英王室はインスタグラムで戴冠式の招待状を公開。チャールズ国王とカミラ王妃のイニシャル「C」が上段中央にあしわれている。また2人の紋章と共に草花や昆虫、鳥などが散りばめられ、春と再生を象徴する明るい図柄になっている(英王室公式インスタグラムより)

エリザベス女王の戴冠式には昭和天皇の名代として、現在の上皇陛下(当時は皇太子、前列左から4番目)も参列された(写真/アフロ)

エリザベス女王の戴冠式には昭和天皇の名代として、現在の上皇陛下(当時は皇太子、前列左から4番目)も参列された(写真/アフロ)

 戴冠式には各国から多くのロイヤルが招待される。

「ウイリアム皇太子・キャサリン皇太子妃夫妻などの英王室メンバーの出席はもちろん、デンマーク、スウェーデン、モナコの王室も招待されています。日本の皇室からは、天皇皇后両陛下の名代として、秋篠宮ご夫妻が出席されます」

 さらに、ジョー・バイデン米大統領の妻ジル夫人など、各国のリーダーも出席する予定だ。

【7】“辞退続出”のコンサート

(写真/GettyImages)

ケイティ・ペリー(写真/GettyImages)

ライオネル・リッチー(写真/GettyImages)

ライオネル・リッチー(写真/GettyImages)

 5月7日には、ウィンザー城で2万人の観客を動員する記念コンサートが開催予定。ケイティ・ペリーやライオネル・リッチーといった出演アーティストの一部が発表された。

「しかし、英国王からのリクエストという名誉にもかかわらず、多忙などを理由に辞退するアーティストも多かったそう。エド・シーラン、アデル、エルトン・ジョンなどは、出演を打診されたものの、辞退したと報じられています」。

写真/宮内庁提供、アフロ、ゲッティイメージズ

※女性セブン2023年5月4日号

関連記事

トピックス

兄弟
《愛情秘話》平野紫耀&莉玖兄弟、病気を乗り越え育ててくれた母への感謝「頑張っているのは親のため」「ダンスに関しては厳しかった」
女性セブン
高橋一生&飯豊まりえ
福山雅治&吹石一恵、向井理&国仲涼子、高橋一生&飯豊まりえ…「共演夫婦」の公私にわたる絶妙なパワーバランス
女性セブン
小沢一郎氏の「知恵袋」と呼ばれた平野貞夫・元参議院議員(写真/共同通信社)
【官房機密費を知り尽くした男】平野貞夫・元参院議員が語る“授受”のリアル 「本格的に増額されたきっかけは日韓国交正常化」
週刊ポスト
手指のこわばりなど体調不安を抱えられている(5月、奈良県奈良市
美智子さま「皇位継承問題に口出し」報道の波紋 女性皇族を巡る議論に水を差す結果に雅子さまは静かにお怒りか
女性セブン
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
「マッコリお兄さん」というあだ名だった瀬川容疑者
《川口・タクシー運転手銃撃》68歳容疑者のあだ名は「マッコリお兄さん」韓国パブで“豪遊”も恐れられていた「凶暴な性格」
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
菅原一秀(首相官邸公式サイトより)と岡安弥生(セント・フォース公式サイトより)
《室井佑月はタワマンから家賃5万円ボロビルに》「政治家の妻になると仕事が激減する」で菅原一秀前議員と結婚した岡安弥生アナはどうなる?
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン