芸能

大竹しのぶ演じる「犬神松子」のすごい迫力!時代劇研究家は今後の「すさまじい展開」を予想

大竹しのぶが久々の舞台について語った

大竹しのぶが”怪演”

 NHKBSプレミアムで放送されている『犬神家の一族』が注目を集めている。22日放送の前編では犬神松子を演じた大竹しのぶの“怪演”がSNSなどで話題に。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが、大竹の演技と後編の見どころについて解説する。

 * * *
 ついにこの時が来た!と感慨深い方も多いのではないか。NHKBSプレミアムで放送された『犬神家の一族 前編』に登場した大竹しのぶだ。

 物語の舞台は、終戦からまもない信州・那須。一代で大財閥を築いた犬神佐兵衛の死去をきっかけに、その莫大な遺産を巡る謎の連続殺人を名探偵・金田一耕助(吉岡秀隆)が追う。大竹しのぶは、佐兵衛が三人の妾にそれぞれ生ませた三人の娘の長女・犬神松子を演じる。

 前編では、金田一に調査を依頼した犬神家顧問弁護士の助手が毒殺される。そこに戦争で顔に傷を負い、白いゴム仮面を被った松子の息子・助清(金子大地)が復員。佐兵衛の奇妙な遺言により、一族の憎しみが噴出する中、恐ろしい殺人事件が…。序盤から、松子の迫力はものすごい。

 顔を確認できない佐清が本物なのかと、異母妹の竹子(南果歩)、梅子(堀内敬子)らが疑うと、「おだまりっ!!」「(佐清は)本来なら殿様ですよ。恥を知りなさい!!」と一喝。広い屋敷をうろうろする金田一は、松子に「何か?」と言われただけで、飛びあがるほどビビるのである。

「犬神松子」は、日本を代表する名女優が演じてきた大役だ。1970年代以降では、1976年、市川崑監督×石坂浩二金田一の角川映画『犬神家の一族』で、戦前からの銀幕のスター高峰三枝子が誇り高き松子となって大ヒット。翌年、古谷一行金田一のテレビドラマ版では、黒澤明監督『羅生門』などで知られる京マチ子が松子に。

 私はこのドラマ版について、関係者に取材した際、当時、ホームドラマの主演をしていた京に「掛け持ちの仕事は絶対しない」と断られたが、必死に彼女のスケジュールを精査し、「この日程なら掛け持ちになりません」と頼み込んで出演が実現したと聞いた。その熱意もあって、ドラマは40%超の高視聴率を記録している。

 その後も、映画では富司純子、ドラマでは岡田茉莉子、栗原小巻、三田佳子、黒木瞳が、日本の芸能史に残る強き女性を演じてきた。

 大竹しのぶは、今回の『犬神家の一族』の演出を担当した吉田照幸がチーフ演出だった昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、占いが当たるという歩き巫女役でも注目されたばかり。白髪を振り乱し、「天命に逆らうな…」と言い続けた巫女の言葉に導かれるように、源実朝(柿澤勇人)が公暁(寛一郎)に暗殺される流れは、背筋がぞっとするような因縁を感じさせた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン