Z世代はなぜコムドットに惹かれるのか(コムドットのインスタグラムより)
メディアから見たコムドットは、「多くの熱烈なファンがいる20代中盤の男性アイドルグループ」であり、ファンの数も熱気も同等レベルと見られているようなのです。ただこれは裏を返せば、「ファン以外から好かれることが難しい」という課題も同じ。しかも、「YouTuberがファン以外から好かれるのはアイドルグループ以上に難しい」と言われる中、「コムドットならそれを乗り越えられるかもしれない」と期待されているのでしょう。
テレビマンたちが企画書を作りやすい
YouTuberのテレビ番組起用に関して最後にもう1つ挙げておきたいのは、企画書の書きやすさ。YouTubeのチャンネル登録者数や再生回数、SNSのフォロワー数などの具体的な数字をあげられるため、「この層の視聴者をこれくらい連れてこられるのでは」という前提で企画書を書きやすいところがあります。
さらにスポンサーが最も求めるコア層(13~49歳)への訴求や、イベントにおけるファンの熱狂などを書き添えることも可能。テレビマンたちも企画書を作り、会議に通さなければいけないため、コムドットのような存在はリスクがあっても魅力的なのです。昨年、フジテレビのバラエティけん引してきた港浩一社長が就任して以降の同局は、「まずやってみたら」という作り手たちを後押しするようなムードがあるため、今回の抜てきも実現しやすかったのではないでしょうか。
先月、あるバラエティのディレクターと話していたとき、コムドットの話題が出ました。
コムドットの魅力として意見が一致したのは、「ポンポンとコメントが飛び交う同級生ならではの連携」と「“革命”を公言するなど野心を隠そうとしないこと」の2つ。これは男性グループアイドルができそうで、なかなかできないことだけに、今回のアンバサダー抜てきでどこまで今後につながる知名度と好感度を得られるのか。少なくとも業界内の注目を集めることは間違いないでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
まさに地元ノリ(YouTubeより)
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