納豆にも注意が必要な食べ合わせが(写真/GettyImages)
腸活にいいとされる食品にはファストとスロー以外の落とし穴もある。都内在住のB子さん(63才)がため息をつく。
「還暦を過ぎて健康に不安があります。よくテレビで『玄米は腸をきれいにする』といっているので白米を玄米に切り替え、野菜と一緒に食べる『玄米菜食』を始めましたが、なんだか疲れやすくなってしまって……」
実際、玄米と野菜の組み合わせは好ましくない。
「玄米と野菜はどちらも腸にいいとされる食物繊維を多く含むゆえに、組み合わせると摂りすぎになってしまう。
食物繊維はカルシウムやマグネシウムといったミネラルを排出する作用があり、過剰摂取するとミネラルが不足します。カルシウムが不足すると骨粗しょう症を招きやすくなり、高血圧や動脈硬化の原因になる。マグネシウムは筋肉形成を促進する可能性が認められています。筋肉は老化に伴い減少することから、高齢者は特に注意すべき組み合わせです」(白鳥さん)
さつまいもと大豆の組み合わせも同じく「ダブル食物繊維」となるので気をつけたい。
管理栄養士の望月理恵子さんは「食物繊維と炭酸飲料」のコンビに警鐘を鳴らす。
「野菜や豆類、海藻類といった食物繊維はもともと胃に停滞する時間が長い。そのうえにビールやサワーなど、腸を刺激する作用のある炭酸飲料を一緒に摂ると、腸の消化機能が低下してさらに停滞時間が長くなり、ミネラルやビタミンなどの栄養素が体内に吸収されにくくなります」
「晩酌のアテに食物繊維」は避けるのが無難なようだ。
腸にやさしい発酵食品も安泰ではない。白鳥さんは「納豆+生卵」という朝食の定番メニューを例に挙げる。
「卵白に含まれるたんぱく質のアビジンが、納豆に含まれている髪や皮膚をつくるビタミンB群のビオチンの吸収を妨げます。納豆と卵を一緒に食べる際は、卵白を取り除いて卵黄だけにしましょう」
納豆はイクラとの組み合わせも避けたい。納豆に含まれる抗酸化作用のあるビタミンKの吸収を、イクラに含まれるビタミンEが阻害するのだ。寿司を食べる際は、充分に注意したい。
※女性セブン2023年5月11・18日号
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