玄米と野菜の組み合わせは危険

「第二の脳」と呼ばれ、全身の健康に直結することが明らかになりつつある腸。腸内環境を整えて健康になる「腸活」を実践する人も多い。

 なかでも近年、画期的な方法として注目されているのが、イタリア在住の自然療法士、フランク・ラポルト=アダムスキー氏が提唱する「アダムスキー式腸活法」だ。

 澤田肝臓・消化器内科クリニック院長の澤田幸男さんが解説する。

「アダムスキー氏は食べ物が体内で消化される速度に着目し、食品を2つに大別しました。胃から腸までの消化管を30分〜2時間で通過、すなわち消化される食べ物が『ファスト』、平均8〜10時間かかる食べ物が『スロー』です」

 ファストを代表する食べ物はフルーツやヨーグルト、トマト、かぼちゃ、香辛料。スローは肉や魚、米、大豆、チーズ、さつまいも、ナッツ類となる。

「同じカテゴリーに分類された食品を組み合わせれば消化吸収の時間が変わらず、効率よく腸内環境が整います。

 しかし『ファスト』と『スロー』を一緒に食べると消化までに通常の3倍以上の時間を要するとされ、腸に大きな負担がかかります」(澤田さん・以下同)

 たとえば健康食材の代名詞で、1日350g以上の摂取が目標とされる野菜は全般的にスローで、主食となる穀物(パスタ、パン、米など)もスローなので食べ合わせは良好だ。だが澤田さんは「トマトには気をつけるべき」と指摘する。

「低カロリーで栄養分が豊富なトマトは、野菜のなかで例外的に『ファスト』に分類されます。

 そのためトマトとチーズを使ったカプレーゼやトマトソースのパスタ、ピザ・マルゲリータは食べ合わせが悪く、消化に時間がかかって腸内で食品が腐敗し、有害物質が発生する恐れがあります。

トマトソースのパスタ(写真/PIXTA)

トマトソースのパスタもNGの食べ合わせ(写真/PIXTA)

 同様にかぼちゃも野菜ではめずらしく『ファスト』のため、かぼちゃのリゾットは危険な組み合わせです」

 そのほかの定番メニューにも落とし穴がある。

「肉類のなかでも低カロリーの鶏肉は『スロー』ですが香辛料は『ファスト』なので、鶏肉に香辛料をまぶしたタンドリーチキンは腸によくない。日本人が好むさんまとすだちなど、魚(スロー)と柑橘類(ファスト)の組み合わせもアダムスキー式ではNGです」

 とはいえ、それらのメニューを一切口にしない生活はあまりにも味気ない。

「どうしてもファストとスローを一緒に食べたい場合、『ニュートラル』を組み合わせる手があります。

 ニュートラルはファストでもスローでもない食品で、油や酢、にんにく、なす、玉ねぎなどが該当します。これらには一緒に食べた食品の消化を速め、ファスト&スローの組み合わせを中和する働きがあります。たとえばトマトソースのパスタを食べるなら、オリーブオイルをたっぷり加えると腸のダメージが緩和されます」

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