政治家を引退しても、逃げ切りで許される問題ではない(時事通信フォト)

政治家を引退しても、逃げ切りで許される問題ではない(時事通信フォト)

 そんなことが許されるのか。政治資金に詳しい上脇博之・神戸学院大学法学部教授はこう言う。

「会計責任者本人の許可なく署名・捺印し政治資金収支報告書を提出したとすれば、政治資金規正法の『虚偽記載』に該当するでしょう。5年以下の禁錮・100万円以下の罰金に処すると規定されています。さらにこのケースの場合、有印私文書偽造の罪で刑法違反に問われる可能性もあり、有罪の場合は懲役3~5年となります。

 政治家は関連政治団体の中で政治資金のやりとりを行なう資金管理団体を指定し、届け出ることが規定されています。特別な位置づけにあり、その会計責任者について政治家本人が知らないという状態は考えにくい」

 松井事務所に訊くと、こう回答した。

「署名・捺印については、松心会の事務職員が20年も前から代筆して捺印してきました。その際にAさんに逐一確認せず続けていました。政治資金規正法上の問題はないと考えていますが、今回の件を受けて認識違いがあったことについては反省し、今後、会計責任者の変更を行なう予定です」

 政治家を引退しても、逃げ切りで許される問題ではない。

※週刊ポスト2023年5月19日号

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