和田医師が飲んでいる「13種類のサプリ」リスト

和田医師が飲んでいる「13種類のサプリ」リスト

怖いのは失明と腎臓疾患

 飲んでいるサプリのうち、例えば「EPA/DHA」は多くの人にとってもいいと思います。普段から肉を食べる機会が多く身体が酸化しやすい体質の私にとっては、このサプリの機能である「細胞膜の柔軟性を保ち、動脈硬化の予防が期待される」点が役立っていると信じています。

 残念ながら、医療で若返ることはとても難しい。ボトックス注射などで見た目を多少若返らせる施術は別ですが、硬くなった動脈や老化した臓器、皮膚を若返らせることは、幹細胞やiPS細胞による医療が今より進歩しない限り難しいのです。

 結局、「今より老化を進めないこと」を目標にするしかない。少なくとも私は、サプリを飲み始めた40代から歳を重ねていますが、肌の状態や体力などを総合的に考えると、比較的「若い」と言われ、大量の仕事をこなせているのはたしかです。

 私はこれからのキーワードとして「足し算健康法」を提唱したいと思います。

 現代の医学は、どちらかと言うと人間の身体から「引き算」を推奨します。血圧であれ血糖値であれ「下げろ」と言い、食べるものも「なるべく控えよ」と言います。しかし、歳を取るということは、若い頃より身体の状態が低いレベルに落ちているわけで、私は引き算をするより足し算をしたほうが元気でいられると考えます。

 その一つがサプリですが、それだけではなく「運動」も足し算すると良いと思います。私は数年前から1日30分程度のウォーキングを取り入れています。それまでほとんど歩かない生活をしていましたが、足腰が弱ってもおかしくない年齢に差しかかり、持病の糖尿病や心不全対策として始めました。

 歩く生活を始めたら、早朝血糖値は一時200mg/Dl程度に下げることができた。現在は早朝血糖値は300まで、ヘモグロビンA1cは10%以内を目安にしています。

 しかし、私はこれらの数値を目標にしているわけではありません。糖尿病で血糖値が上がることのリスクは、失明や腎臓疾患につながることです。そこで私は半年に一度、眼底と腎機能の検査を受けています。糖尿病歴は4年半になりますが、今のところ、それらに異常はありません。

 普通なら、私の血糖値コントロールは医者がダメだと言うレベルですが、大事なのは数値ではなく、眼や腎臓にダメージがあるかどうかをチェックすることなのです。

 これからも私は活力を奪われる医療ではなく、足し算健康法で若く元気にいることを目指します。

※週刊ポスト2023年5月26日号

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