チーフプロデューサーの石川綾一氏(C)フジテレビ

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「100人の観客審査」になった理由

──ノックアウトステージとグランプリファイナルは100人の観客審査にしました。あれも思い切りましたよね。

日置:最初は、プロの審査員にしようかとも思ったのですが、芸歴30年くらいの組が出る可能性もあるわけじゃないですか。そうなると、誰が採点できるの? みたいな話になったんです。全員、それよりキャリアが上の芸人を集められるものでもない。かといって、後輩の芸人さんを審査員にすると、立場上、なかなか採点するのも難しいと思うんです。なので、消去法と言えばそうかもしれません。

──審査を担当するお客さんは、どうやって集めているのですか。

石川:基本的には応募制です。申込書を送ってもらう段階で事前に年間何回ぐらいお笑いライブに行くかなどのアンケートに答えてもらっていて、そのあたりは偏りがないように選びました。

日置:まったくの素人だと困るのですが、審査が極端にならないよう、お笑い好きの人の中でも初心者から上級者までいろいろなレベルの人に集まってもらいました。

──今回の観客審査で1つ画期的なのは、採点の後、アットランダムに選ばれたお客さんが感想を求められるところですよね。

日置:一般のお客さんを集めていろいろなシミュレーションをしたところ、けっこう深い意味もなく1点を付けちゃう人が多いんですよ。

石川:「とても面白かった」が3点、「面白かった」が2点、「面白くなかった」が1点なのですが、いずれも相応のキャリアのある漫才師ばかりなので「面白くない」ということはそうそうないと思うんです。

日置:審査は厳しくていいのですが、芸人さんへの最低限のリスペクトは持っていて欲しい。そこで、「何で1点なんですか」と理由を聞くようにしたら、1点を付ける人がぐっと減ったんです。

──ノックアウトステージの開幕戦だったと思うんですけど、点数の根拠を聞かれて「なんとなく」と発言したお客さんがいました。そうしたら、日置さんが無線で「もう一度、ちゃんと理由を聞いて」とけっこう強い口調で指示を飛ばしていたんですよね。あのとき、この審査方法の大事なところはお客さんに責任感を持たせるところなんだと思いました。

日置:もちろん、普通のお客さんは「なんとなく」観てくれていいんです。ただし、審査に参加するお客さんは、自分なりの採点基準を持っていてくださいね、ということなんです。芸人さんも人生をかけていますから。自分の採点にプライドを持っていないと、応援しているコンビを勝たせたいがために他のコンビにわざと1点と付けたりしてしまうこともありえる。でも、理由を聞かれるかも……と思ったら、それもできないと思うんです。

──あと、それも観客審査の効用だと思うのですが、どの組もあれをしちゃいけないこれをしちゃいけないということに縛られずに、のびのびやっていましたよね。M-1だとモノマネはNGとか、小道具は使わない方がいいとか、知らぬ間に「M-1ルール」みたいなものに縛られ過ぎている感じもしますもんね。

日置:お笑いなんで、原則、お客さんを笑わせられれば何でもありだと思うんですよ。ただ、プロが審査する場合は、そうもいかないところもある。だから、優勝者が決まったあと、負けた組の方がウケていたのにみたいな不満が出てくる。お客さんに審査を任せた方が、そういうストレスは少なくなるのかなという気はしています。

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