そうして生じるひざの変形リスクは、痛みだけにとどまらない。
「ひざの変形により、歩行時や階段昇降時の体の横揺れが強くなると、転倒骨折のリスクも増します。打ちどころによっては寝たきりになる可能性もあり、高齢の方ほど特に用心が必要です」
椅子から立ち上がるときにひざが痛む場合は、図3に示したスクワットを行なうことで、大腿四頭筋とともに、「ハムストリングス」という太ももの裏の筋肉を効率的に鍛えることができるという。
ひざ:椅子から立ち上がる力を鍛える
「ここで示したトレーニングを私は『足先内向きスクワット』と呼んでいます。スクワットをする時は壁などにもたれかかり、上下運動の際にひざがつま先より前に出ないようにするのがポイントです。ひざがつま先より前に出てしまうと前向きに滑り落ちる力(剪断力・せんだんりょく)が加わり、かえってひざの軟骨をすり減らしてしまうからです」
※週刊ポスト2023年6月2日号