ネビン監督に大谷の凄みを聞くと、「一貫性だね」と迷いなく即答した。
「一貫性というのは、睡眠から栄養に関することまで日々のルーティーンすべてについて。翔平が現在こなしているルーティーンより厳しくできる選手はいないだろう。彼は一日中やることが計画されていて、常に何をすれば良いか分かっている。その状態を逸脱することはないし、彼は自分の仕事に自分自身を捧げている」
指揮官の言葉には、大谷への愛情と尊敬の念があふれていた。
「翔平はゲーム(試合)が好きなんだ。彼を見ていると、どれだけ野球を愛しているかが伝わってくる。クラブハウスに来る時、仕事をしている時、彼はいつも自分のやっていることを楽しんでいる。チームメイトに囲まれていることが好きだし、試合に勝つことも好きだ。一般的に、彼はゲームに関するすべてが好きなんだよ。
彼が成し遂げられないことはないよ。世界でもベストプレイヤーの1人だし、彼がやっていることは誰も真似できない」
取材/水谷竹秀(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2023年6月9・16日号