赤間被告には、被害者宅から持ち出したものに日付などを書き入れるなど、事件を記録する“習慣”があったという(写真/イメージマート)
赤間被告はこのとき噛まれたことから逆に「何がなんでも性交してやる」と闘争心が芽生えたそうだが「気持ちと裏腹に痛みが強くて、勃たなかった」と、陰茎を噛まれたことで挿入を断念したと、被告人質問で語っている。そんな赤間被告、Eさんの部屋を立ち去る前に、口止めのためにこう告げた。
「この女子寮は何度も来ている。みんな泣き寝入りしてる。警察に行ったらどうなるか分かるよね」
今回の裁判員裁判で起訴されているのは4件の事件についてのみであるが、この発言は、それ以上犯行に及んでいることを推測させる。5月25日に行なわれた被害者意見陳述でAさんもこう語っている。
「警察に『あなたでこのマンションは4件目。この部屋の前の住人も、同じ目に遭っている』と言われて愕然とした。前の件は既に時効になっている。今もどこかで同じ被害に遭っている人がいるかもしれないと思うと……」
毎回同じ手順で女性に性的暴行を繰り返していた赤間被告の犯行は、Eさんの事件で2022年5月に逮捕されるまで、止まることはなかった。全ての犯行は金目的だった、と主張しているが、裁判所はどのような判断を下すか。判決は6月に言い渡される。
◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)