中学時代は野球部でキャッチャーをやっていた
母親の積極性は地域でも有名だったようだ。
「彼女は、いろんな会合に顔を出しては辣腕ぶりを発揮する地元のリーダー格でした。ただ、自己主張の強いかたで、口調が厳しかったり、時に衝突することもありました。たとえば、毎年開催される『信州なかのバラまつり』では規則違反を犯してしまい、トラブルになったとか。正義感の強い人なのですが……」(前出・近隣住民)
多方面で活躍する彼女は、内にこもる青木容疑者を気にかけ、何度も手を差し伸べた。
「ジェラート店では、政憲さんの名前を冠した『マサノリ園』という果樹園で栽培されたりんごやシャインマスカットが使われています。政憲さんは、ほとんどお店の運営に関与していませんでしたが、お母さんは『息子はジェラート店で頑張っているんですよ』とうれしそうに話していました」(前出・青木家の知人)
昨年11月、青木容疑者は、両親の持つ自宅を担保に地元の金融機関から300万円の借金をしている。
「政憲さんの新ビジネスのための資金だったようですが、本人が進んで借りたとも考えにくい。彼に独り立ちしてほしいと願っていた親御さんのアイディアかもしれませんね。長野に戻って10年も経つのに、政憲さんは家族以外とのつながりが希薄なままでした。長男である彼を過保護なまでに溺愛していた母親からしたら、“なんとかしてあげたい”という思いが強くなるのは当然でしょう」(前出・近隣住民)
そんな親の思いとは裏腹に、青木容疑者はどんどんと心の闇を深めていった。そして、猟銃とサバイバルナイフを手にし暴挙に出た──。
「事件の全貌はまだ見えませんが、供述には被害妄想と受け止められるものもあり、精神鑑定で犯行時の精神状態が調べられることになるはずです。4人が殺され、そのうち2人は警察官。彼らの無念に応えるためにも、責任能力は徹底的に追及されるでしょう」(前出・社会部記者)
自宅に立てこもっているとき、母親に「出頭できないなら一緒に死のう」と提案された青木容疑者は「母さんは撃てない」と言ったという。あまりに身勝手な犯行を重ねた青木容疑者は、正義の裁きを受けなければならない。
※女性セブン2023年6月15日号