プレゼンは、データ収集、プラン考案、資料作成までを2週間で準備して臨んだ
2023年の世界大会へ向けて現在、日本代表を目指すセミファイナリスト約40人がトレーニングに臨んでいる。4月中旬からから8月下旬までの4か月間、ウォーキングや英会話、プレゼンなど多岐にわたってトレーニングし、今年はプレゼンの実習が例年とはひと味違いを見せる。
「プレゼンでは社会貢献に的をしぼり、ミス・ユニバース・ジャパンの活動としてどんな取り組みをしていきたいかを彼女たち自身に考えてもらいました。18~27歳(応募時)の女性が何に関心を持ち、どれほど本気のパッションでプロジェクトを進められるのかを見極めるためです。
日本では災害などがあれば大勢の人が支援に動くけれど、日常から慈善活動をする習慣はまだ根付いていません。そんな環境の中で『今年はこういうチャリティをしましょう』と運営が促しては、自発的な行動力が発揮されません。もともと日本人は1を100にも300にもする力には長けていますが、0から1にする力を発揮する人がとても少ないと感じます。最初の1歩を自ら踏み出せる人にこれからのリーダーを担ってほしいと考え、今年は発案から任せました」
プレゼンでは何を重視しているのだろうか。
「内容よりも、伝え方です。棒読みになっていないか、聞いている人の反応を見ながら話しているか、しっかり練習をしてきたか。そういった「伝えるためのコミュニケーション力」を見ています。私が良いと思った出来のプレゼンには、普段からコミュニケーション力の高い人がチームに入っていました。自発性と同じくリーダーに欠かせない条件だと思います」
美馬氏が語った「普段」にはトレーニング中など気を張るオンの態度だけではなく、休憩など気が緩みがちなオフの態度も含まれている。細かい例でいえば、洗面所で手を洗った際にはねてしまった水滴を拭き取っているか、など。候補者はありとあらゆる場面で評価されているのだ。