ライフ

竹原慎二氏の膀胱がんとの闘病 サードオピニオンを受けても決心つかなかった「膀胱全摘」を後押しした医師の言葉

闘病を振り返って痛感するのは「医師を選ぶことの大切さだ」(写真/共同通信社)

闘病を振り返って痛感するのは「医師を選ぶことの大切さ」(写真/共同通信社)

 人生を変えるほどの病魔から救ってくれた名医との出会いとその闘病生活について、各界の著名人に披露してもらった。元プロボクサーの竹原慎二氏(51)が膀胱がんと戦った体験談を語る。

 * * *
 2013年の大晦日、真っ赤に染まった血尿が大量に出ました。翌年2月にも同じような血尿が出たので総合病院で検査すると、2.5cm大の腫瘍と骨盤リンパ節に2か所の転移が見つかった。告げられた診断は膀胱がんのステージ4でした。

 予兆はあったんです。2013年初頭に頻尿で知り合いのクリニックを受診したら膀胱炎の診断で抗生物質を処方され、夏場には排尿の際に激痛が走って同じクリニックで別の薬をもらいましたが、症状は治まらなかった。

 膀胱がんの告知後、担当医から「最悪であと1年の命。膀胱を全摘したほうがいい」と言われました。大いに悩み、セカンドオピニオン、サードオピニオンを受けても決心がつきませんでした。

 その時、親友でボクシング仲間の畑山隆則から東大病院を紹介してもらい、そこで出会ったのが、東京大学医学部附属病院泌尿器科講師の藤村哲也医師(現在は自治医科大学医学部腎泌尿器外科学講座教授)でした。

 それまでに会った医師はどこか高圧的で信頼できませんでしたが、藤村先生は僕と同年代で話しやすく、治療法や術後のリハビリについて丁寧に説明してくれました。

 藤村先生が提案したのは、膀胱を摘出し、代わりに小腸で新しい膀胱を作って身体に戻す手術で、手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を利用するとのことでした。当時は東大病院でも2例目のハイテク手術で、保険適用外のため費用が数百万円かかりました(※現在は保険診療可能)が、藤村先生の言葉を信じて身を委ねることにしました。

 11時間超の手術は無事終了し、約9年経った今も新しい膀胱や家族の支えで暮らしています。

 闘病を振り返って痛感するのは、医師を選ぶことの大切さです。自分の意見を押し付けたりマニュアル通りの対応しかしない人より、話しやすく説明が丁寧な先生のほうが良いと思います。僕は周りから膀胱がんの相談をよく受けますが、信頼できる先生を見つけることが大事だといつもアドバイスしています。

※週刊ポスト2023年6月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン