ホテルの前の海岸で、屋外にもかかわらず、下着姿で記念撮影する猿之助
抵抗の形跡により殺人罪が適用
猿之助の両親の最期を巡って、慎重な捜査が継続して行われた結果、新たに“決定的になり得る証拠”が見つかったと語るのは、別の警察関係者だ。
「両親ふたりともの頭部周辺に、かすかに『傷』が残っていたのです。猿之助さんの“ビニール袋をかぶせた”という証言が事実ならば、その際に両親が抵抗して、なんとか袋を取ろうとしたときに残された傷かもしれません。また、抵抗する両親を猿之助さんが押さえつけたときに傷がついた可能性もあります。そのあたりが今後の捜査の突破口になるかもしれない」
法医学にも詳しい医療関係者が次のように解説する。
「睡眠導入剤をのんで眠っている状態だったとしても、ビニール袋をかぶせられて低酸素状態になれば、意識が覚醒する、つまり目を覚ますことがある。猿之助さんの両親に意識が戻って、とっさに袋を剥ぎ取ろうとした可能性は充分にありえます」
猿之助の証言通り、両親が自殺を覚悟して向精神薬を服用したとしても、最期に抵抗した形跡が残った場合、事件化はどう判断されるのか。
「過去の判例では、自殺願望があっても、遺体に抵抗した形跡があったことで、殺人罪が適用されたケースがあります。2017年に神奈川県座間市で発生した連続殺人事件です。白石隆浩死刑囚はSNS上で自殺願望を持つ被害者たちを言葉巧みに誘い出し、犯行に及んでいました。被害者たちは自殺願望を間違いなく持っていたものの、犯行時に白石死刑囚に抵抗した形跡が残されており、裁判では嘱託殺人ではなく、殺人罪が適用されました。
猿之助さんの両親に、どこまで意識があったかは定かではありませんが、ビニール袋を剥ぎ取ろうと抵抗したのであれば、それは“死にたくない”という意思表示と見なされる可能性があるのです」(前出・全国紙社会部記者)