ど派手な上下
猿之助の証言自体にも、別の疑問が残っている。
「猿之助さんが両親にかぶせたという『ビニール袋』がいまだ見つかっていません。それなのに、自らすすんで『袋をかぶせた』と打ち明けることは『不利益事実の承認』にあたります。仮にビニール袋を処分したのが猿之助さんなら、なぜ処分した証拠の存在をわざわざ打ち明けたのか。
不利益事実を自ら明かしたことにより、もし今後、刑事事件に発展することがあり、裁判が行われるとしたら、猿之助さんの証言は信憑性の高いものとして扱われるメリットがあります。一連の“家族会議で自殺に合意した”“両親はすすんで薬をのんだ”という証言も本当のことだという印象を与えられるでしょう」(前出・全国紙社会部記者)
それに対し、前出の別の警察関係者は、捜査の難しさを吐露する。
「もしその袋に、破れるなどの“抵抗の証拠”があれば猿之助さんは一気に窮地に陥るが、袋はすでに捨てられています。また、睡眠導入剤のパッケージも一緒に捨てたというが、そのパッケージには猿之助さんの指紋しかなく、両親が自らのんだ形跡がないのかもしれない。
もしそうであったとするならば、猿之助さんは自分にマイナスになる証拠をしっかりと処分した上で、不利益事実を明かすことによって、証言の信憑性を高めることができたことになります」
いまも捜査は続いている。いずれ事実は明らかになるだろう。
※女性セブン2023年7月6日号