国内

陸自銃撃事件で注目の「銃の扱い方」 警察関係者が語る「静かに静かに引き金を引かないと的には当たらない」

規制線の張られた陸上自衛隊日野基本射撃場(時事通信フォト)

規制線の張られた陸上自衛隊日野基本射撃場(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、自衛官候補生による銃撃事件で注目を集める、銃の訓練について。警察の場合はどうなっているのか。

 * * *
「訓練中、たとえ弾が入っていなくても、銃口を人に向けるなど、ありえません。自分の拳銃ですら覗き込むことはありません。拳銃の取り扱いについては、厳しく指導されていましたから」という警察関係者A氏は、「射撃の直前に号令で弾を込め、射撃の順番でない者は、弾に触れることもできないようになっています」と話す。

 陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で隊員3人が、自衛官候補生の男に撃たれ死傷するという事件が起きた。男は射撃訓練中、射撃場の射座(銃を発射する場所)に入る前の待機場で、持っていた銃に勝手に弾を装填したという。メディアが報じた自衛隊で射撃訓練を行う際の手順などによると、訓練時は担当の係が訓練の課題に応じて弾数を渡し、射座についてから弾倉に弾を込める。弾数や弾倉などの確認後、発射。教官の他に教育担当の隊員たちがつく。この時、銃口は常に目標に向け、人には向けてはいけない、引き金を引く直前まで指をかけてはいけない、銃の前を通ってはいけないなどの厳しいルールがあり、破れば上官に怒られるだけでなく、訓練生たちの連帯責任となるという。

 警察関係者I氏も「拳銃は人を殺める道具ですから、取り扱いには細心の注意を払っています」という。警察と自衛隊では訓練内容も訓練状況も違うが、銃器を用いた訓練を行う以上、どちらも万全の対策を取らねばならない。そのため警察学校では、まず座学で射撃の基本やルールを学ぶことになる。その後、拳銃の操法を学び、空撃ちという弾を入れないで引き金を引く訓練を行った後、実射での訓練となる。警察学校では「拳銃検定」があり、ここで合格して初級の資格を得なければならないのだ。

実射の前に空撃ちを何度も、その他に模擬弾

 警察では警察学校卒業後も射撃訓練が行われる。前出のA氏は「所属する署や所属によっては訓練の内容などは異なるようだが、最低でも年1回は実射訓練を行うことになっている。そのほか模擬弾でも訓練を行うことになっていました」と話すが、拳銃を使用する可能性が高い職務についていたI氏の場合は「年間2回ほど、実射訓練をやっていました」という。

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン