横浜との首位攻防戦の前のデイリー一面

横浜との首位攻防戦の前のデイリー一面

思ったことをしゃべっているだけ?

 岡田監督が激怒した「あのイベントの記事」というのは、首位攻防戦のために横浜入りする前の甲子園での練習後の談話を報じた記事のことだという。横浜スタジアムで連敗が続いていることについて、岡田氏が持論を展開。イニング間に催されるファンサービスのイベントについて、「あれ、待ってる時間長いで。あれ、ほんま。あれでちょっと拍子抜けするよな」とボヤいたのである。

 横浜スタジアムではイニング間にグラウンドで、ファンやマスコット、チアガールがリレー対決やダンスコンテストをして試合を盛り上げるが、「何か野球に関係ないイベントばかりしてるやろ。あれで拍子抜けになってんねん。言うとけよ、横浜に」と“岡田流ジョーク”をかましたのだ。

 デイリースポーツは〈番長に先制口撃 イベント長いで〉と一面で報じたが、シャレで言ったことが大きな記事になり、しかも連敗してバツが悪いということなのか。いずれにせよ、各紙にとっては“深刻な問題”だという。

「岡田阪神の好調が続いていたこともあり、岡田語録を大きく取り上げた紙面の売れ行きは快調だった。負けると多少は勢いが落ちますが、大健闘していると思います。

 このまま岡田監督のリップサービスがなくなってしまうと、売れ行きにも大きく影響する。岡田語録を目にして奮起したり、反省したりする選手もいた。ファンだけでなく、選手にもいい影響があったと考えられるので、このまま取材現場がギクシャクするのは避けたい」(スポーツ紙編集委員)

 甲子園に戻ると中日に快勝して岡田語録は復活したが、テレビのインタビューとぶら下がりを構成したもので、内容は試合のことばかり。今季のプロ野球の最大の“注目人物”だけに、「アレ」「お~ん」「そらそうよ」といった独特な言い回しを交えた本音満載の軽妙なトークを取り戻してもらいたいと願う関係者は多そうだが、阪神OBで岡田氏と親交のある野球評論家・江本孟紀氏は「心配せんでもすぐに岡田は元の感じに戻りますわ」と言う。

「岡田は、思ったことをしゃべっているだけで、まったく計算がないですからね。負けたら言葉数は少なくなり、勝てば多くなる。それだけのこと。チームも大きく崩れているわけではなく、そんなに深刻になることはない。

 今は若手が頑張っているが、ここにベテランが戻ってくれば持ち直します。そうすれば岡田の機嫌も直りますよ。あの男は根っからの野球好きですから、みんなで関西を盛り上げたらいいと思いますよ。それで優勝もできるかは、まあ、知らんけど(笑)」

 語録が消えて“アレ?”と思ったファンの心配を早く払拭してほしい。

※週刊ポスト2023年7月14日号

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