トラウトは同じダイヤモンドバックス戦で1回裏に18号ソロを放った(Getty Images)
ただ、2022年シーズンはジャッジがマリス超えの62本を記録し、スタントンが31本で2人合わせて93本。物足りなさは残りますが、両選手がともに絶好調となれば、破壊力抜群のヤンキース打線となります。
前置きが長くなってしまいましたが、今やヤンキースの超大型コンビをしのぎ、MLB最強コンビとして最も注目されているのがトラウトと大谷さんです。2022年はトラウトが40本、大谷さんが34本を放ち、8度のアベック弾を記録。トラウトは2人そろってのホームランに「かなりクールだ」と言及し、「僕らがホームラン数を争っているみたいと皆に言われるね」と周囲の反応を明かしました。
2022年シーズン終了時点でMLB記録にはまだまだ遠い通算22度のアベック弾ですが、2023年シーズンは開幕早々に通算7度目の2者連続弾を記録しました。トラウトは2019年シーズン前にエンゼルスと歴代最高の12年総額4億2650万ドル(当時のレートで約469億円)で契約延長。もし大谷さんが来季以降もエンゼルスと契約することになれば、「トラウタニ弾」は今後も続き、2人そろって歴史に名を刻む時がくるかもしれません。
【プロフィール】
福島良一(ふくしま・よしかず)/1956年、千葉県生まれ。大リーグ評論家。1968年に日米野球を初観戦し、本場のアメリカ野球に魅了される。1973年に初渡米して以来、毎年のように全米各地で観戦。MLB全球団の本拠地はじめ、マイナーリーグ、独立リーグなど数え切れないぐらいの球場を訪問。大リーグ通の第一人者だった故伊東一雄氏の薫陶を受け、現在は日刊スポーツなどで執筆のほか、テレビ、ラジオなどで評論。NHKなどを経て、 2020年からはインターネットTVのSPOTV NOW、ABEMAでMLB中継の解説者としても活躍中。著書に『大リーグ物語』(講談社現代新書)、『大リーグ雑学ノート1、2』(ダイヤモンド社)など多数。
※福島良一『もっと知りたい! 大谷翔平』より一部抜粋・再構成