レギュラー化をしても「TVer」で配信しないのは「カッコ悪い」
今やテレビ番組において「TVer」などの見逃し配信は不可欠なものとなった。そんな中で『私のバカせまい史』のパイロット版では「完全版は貴重映像多数につき地上波1回限定のみ」と謳っていた。映像の一部が配信できないことを逆手に取って「テレビ」で見ることに価値を見出すやり方が痛快だった。ゴールデンレギュラー化の後は、番組公式Twitterで「TVer注意報」と題して配信できる度合いを「◎」「◯」「△」などと事前に伝えている。
「パイロット版の頃は、配信をするとかかる費用が増えて払えないとなったときに、演出の加藤が“むしろ配信ができないんだったら、地上波だけ1回きりなんで地上波で見てください”っていう表現の仕方を提案してくれたんです。そして、社内からも、“今、地上波のテレビを見てもらう理由としてユニークな表現なのではないか”という評価をしていただいたんです。レギュラー化が決まった後もその方針を続けようと思ったんですが、それはそれで開き直りすぎてカッコ悪いなっていう気持ちもちょっとありましたね。
パイロット版のときは、『これからは配信も意識していかなければならない』っていう“配信黎明期”だったんですけど、今は配信真っ盛りで、番組評価的にもすごく重要な要素ですから、なるべく蓋をしないようにそちらにも予算を使ってます。
それでもどうしても配信できない映像があるときは、事前に正直に言おうっていう形にしました。配信セクションからするとそんなの事前に言うなよって話かもしれないんですけど、楽しみに見てくださったのにがっかりさせたくないし、嘘は見透かされる時代なので」