国際情報

ダライ・ラマ「中国政府が接触を要請」と明かす 対話実現までには時間が必要か

中国とダライ・ラマとの対話が実現すれば、2008年5月以来

中国政府とダライ・ラマとの対話が実現すれば、2008年5月以来

 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世はこのほど、中国政府が公式と非公式の両方の方法を通じて、接触したいと要請していることを明らかにした。中国とダライ・ラマとの対話が実現すれば、2008年5月以来となる。インド紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」が報じた。

 この中国側の申し出については、ダライ・ラマが現在の居住地であるインド北西部のアルナチャルプラデシュ州ダラムサラで、インドのデリーとラダク地方を訪問する前にメディアに対して語ったもの。

 ダライ・ラマは「中国は最近、外の世界に対して変化しており、中国側は公式、非公式の手段を通じて私と対話する意思を表明している 」と述べた。そのうえで、ダライ・ラマは「私は対話を拒否したことはない。われわれは独立を求めているのではない」と発言した。。

 さらに、「いまや中国もチベット人の精神が非常に強いことを理解している。 チベットの問題を解決するために、彼らは私と対話したがっている。 私には何の問題もない」と述べた。

 また、ダライ・ラマは7月6日、自身の88歳の誕生日祝賀集会でも、「私はチベットに対して厳しい態度をとっている中国の指導者たちに怒りを感じてはいない。チベットの文化と宗教的知識は世界に利益をもたらすことができる。生きとし生けるものを助けるため私の生涯をささげる」として、中国側と対話再開に含みを持たせていた。

 在京のチベット情報筋は、「中国がダライ・ラマ法王にどのようにアプローチしているのかは分からないが、これまでの習近平・国家主席の言動から判断して、すぐに中国側との対話が実現すると考えるのは早計に思える。いずれにしても時間がかかるのではないか」と指摘している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン