バイトAKB時代の千代田唯さん
その後、無事神主の資格を取れたはいいものの、芸能活動をする上で、その肩書きはあまり効果を発揮しなかったという。
「『神主』だからといって仕事が増えたとかはあまりなくて(笑)。都内のライブハウスのアイドルイベントや、アイドルプロレスといったものにも出ていました。崖っぷちのアイドルがたくさん出ていましたね(笑)。
そのうち、もう限界かなと思い、芸能活動をやめようと思っていた時に、たまたまバイトAKBのCMを見て。その時もう25歳だったので、アイドルになるには最後のチャンスだと思って、背水の陣で応募したら合格したんです。1万人応募した中から、合格したのは50人という倍率。もちろん、“神主アピール”はしました。面白がってくれたと思います。合格したときは本当に嬉しかったですね」
しかし、バイトAKBとしての活動は苦難の連続だった。
「基本的に表に出る仕事だけじゃなかったんですよ。本家AKBさんのミュージックビデオを撮るときに、カメラワークやライティングをチェックするために、本人たちに代わって先に私たちバイトAKBのメンバーがテストとして動きをやるんです。本人たちが入る前の影武者みたいな感じですね。
私たちだけで劇場に立って歌ったり踊ったりする時ももちろんありましたし、握手会もありましたが、毎日活動がある日もあれば、1週間に1回しか活動しない週もあったり。私は全然センターにはなれなくて、いつも2列目の端っこぐらいの位置でした。ちなみに時給は1000円で、正直お金はまったく稼げません(笑)。本家のAKBさんとは違い、期間が半年と決まっていたので、あっという間に解散の日が来てしまった感じです」