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「詞はその場で覚える時もあった。だからヒットした」キャンディーズの“レコーディング現場”をディレクターが明かす

1977年3月発売。チャート最高4位を記録し、大ヒット。アン・ルイスがデザインしたレオタードの衣装とデビルサインも忘れられない。「イントロの足音は私のブーツを叩いた音。作曲の吉田拓郎さんの閃きです」(若松氏)/(C)渡辺プロダクション

1977年3月発売。チャート最高4位を記録し、大ヒット。アン・ルイスがデザインしたレオタードの衣装とデビルサインも忘れられない。「イントロの足音は私のブーツを叩いた音。作曲の吉田拓郎さんの閃きです」(若松氏)/(C)渡辺プロダクション

 伊藤蘭、田中好子、藤村美樹からなるアイドルグループ、キャンディーズは今年でデビュー50周年を迎える。人気絶頂のなかで解散し、今なお伝説として語り継がれている。名曲の数々に、レコード会社のディレクターとして携わった若松宗雄氏(プロデューサー)がキャンディーズについて振り返る。

 * * *
 シングルだと『春一番』から『アン・ドゥ・トロワ』まで7枚でディレクターを務めました。レコーディングは夜9時前後から始まって3~4時間で録音していました。性格的にはランちゃんは淡々としていて、ミキちゃんは真面目でよく質問をするタイプ。スーちゃんは甘えん坊で「どう歌えばいいかわかんない~」と言う時もありました(笑)。

 歌はポップで清々しさのあるランちゃんの声質を中心に、ミキちゃんが下支えして、スーちゃんがアイドルっぽさを加えていました。多忙で詞はその場で覚える時もあった。だから、ヒットした。歌は直感的に表現するもの。詞の意味を考えて何度も練習すると、イキの良さが消えてしまう。魚のようにとれたてが一番いいんです。

【プロフィール】
若松宗雄(わかまつ・むねお)/1940年生まれ、福島県出身。CBS・ソニーレコードのディレクターとしてキャンディーズや松田聖子を育てた。現在、エスプロレコーズ代表。著書『松田聖子の誕生』発売中。

取材・文/岡野誠

※週刊ポスト2023年8月18・25日号

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