ライフ

占い師が実践する「会話テクニック」 事前調査なしに心を読む『コールドリーディング』

マッチングアプリの中にはシニアの出会いに向いているサービスも(イメージ)

いまの時代、名前・生年月日・職業などのSNS情報があれば、詳細な事前調査が可能となる(イメージ)

 俳優・永山絢斗(34才)は大麻取締法違反容疑で逮捕される2か月前、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系・月曜23時〜)に出演(4月17日放送)。そこで、占い師から「選ぶ女の人によっては逮捕、裁判の星が入ってくる」などと指摘されていた。まさに的中となった同番組の占いについて、「2か月後の逮捕を見越していたなんて……」「占い師はなぜ先が見通せるんだろう」といった声が上がっている。しかし、そんな占い師には相談者相手に使う心理テクニックがあるという。それを暴露し、占い業界の内幕を描いた漫画『占い師星子』が話題を呼んでいる。

 同作の監修者・河央麗禾さんはこう語る。河央さんは占いに関する本や雑誌の編集に携わって30年以上、30人を超す占い師とかかわってきた業界内の人だ。

「占い師にはいくつかのタイプがあります。中でも『対面式で相手を鑑定するタイプ』かつ『占いは会話や心理テクニックだと考えているタイプ』は会話上手で、相手の胸中を読み、不安や願望を推測することに長けています。頃合いを見て、その結果をズバリと切り出すことによって相手を驚かせ、信じ込ませるのです。

 人の悩みは得てして、恋愛・人間関係・仕事・お金の4つに大別されます。相談者は、悩みを抱えて相談に来る時点で、占いにヒントや解答を求めたいと思っています。

 そうした人の気持ちのベースには、『自分がどう評価されているか知りたい』『悩みを吐露し、共感してもらいたい』『助言が欲しい』『占いや霊能などの特別な能力に頼りたい』という気持ちがあり、そもそも占いを受け入れやすい態勢になっています。

 だから、ズバリと切り出された内容に驚き、共感し、信用する気持ちが一気に湧いてくるのです」

 未知のことを言い当てられたように感じても、実はすでに相手のことを信じたい素地が心中にあった、というわけだ。では、一部の占い師が実際に用いているテクニックについて見ていこう。

ホットリーディング

「『占い師星子』では、占い事務所でアルバイトをする星子が、来る日も来る日も芸能人のリサーチをさせられ、その情報を基に占い師が“占い”をしてみせるシーンが描かれます。それを見た星子は『あんなの詐欺です!』と怒り出すのですが、そうした“事前調査”は実はよくあること。

 実際、出演者が決まっている占い番組にしても、完全予約制の個人鑑定にしても、名前・生年月日・職業から身辺調査に近い事前調査ができ、それを鑑定に使います。この手法を『ホットリーディング』といいます」

 と前出の河央さんは語る。

 こうした事前調査は一般企業での面談時にも行われているが、占いの場合、相談者は「言い当てられた」と錯覚し、「この人すごい」と思ってしまう。そうした心理に誘導されると、相手の言葉を無条件で信じてしまいがちになる。

 最初から悪意を持った人がそうした心理に乗じると詐欺もたやすい。効力のないパワーストーンなどのグッズを買わせようと企む悪徳占い師などがそれだ。

「SNSを利用している人は個人情報を自分から不特定多数の人に発信しているわけで、家族構成からペットの名前まで、簡単に調べ上げられてしまいます。その意味では、いまは事前調査がしやすい時代なのです」(河央さん・以下同)

 SNSに頼らずとも、相談者の事前調査はできる。

「たとえば、待合室で客のふりをして待っている人物が相談者の話を聞き、裏で占い師にその情報を伝えることもできます。教えていないことを言い当てられたら人は驚くものですが、占い師はまったくの無から“占い”を始めているわけではないことを知っておくべきです」

関連記事

トピックス

夜逃げした「郷土料理 たち川」に、食品偽装があったという(左はinstagramより、右は従業員提供)
「飛騨牛はホルスタイン、天然鮎は養殖モノ…」岐阜・池田温泉、町が委託したレストランで“食品偽装疑惑”「仕入れ先が減り、オーナー自らスーパーで割引の商品を…」【7月末に夜逃げしていた】
NEWSポストセブン
痩せる前のエヴィヤタルさん(インスタグラムより)
「弟はもはやガイコツ」「この穴は僕が埋葬される場所だろう」…ハマスが“人質が自分の墓を掘る”動画を公開し世界各国から非難噴出《飲まず食わずで深刻な飢餓状態》
NEWSポストセブン
本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)
《襲われる被害が多発》クマに悩まされる養蜂家たちが告白 「今年はあきらめるしかない…」「槍を作って山に入るヤツもいる」
NEWSポストセブン
デコラファッションで小学校に登校していたいちかさん、中学生となり衝撃の変貌を遂げていた…!
《デコラ小学生が衝撃の変貌》グリーン&ゴールド髪が“黒髪少女”に大転身「ほぼスッピンのナチュラルメイクで中学に登校する」意外な理由とは
NEWSポストセブン
昨年に第一子が誕生したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行、妻・沢井美優(右・Xより)
《渋谷で目立ちすぎ…!》オレンジ色のサングラスをかけて…ティモンディ・高岸、“家族サービス”でも全身オレンジの幸せオーラ
NEWSポストセブン
“原宿系デコラファッション”に身を包むのは小学6年生の“いちか”さん(12)
《話題のド派手小学生“その後”》衝撃の「デコラ卒アル写真」と、カラフル卒業式を警戒する学校の先生と繰り広げた攻防戦【『家、ついて行ってイイですか?』で注目】
NEWSポストセブン
収監の後は、強制送還される可能性もある水原一平受刑者(写真/AFLO)
《大谷翔平のキャスティングはどうなるのか?》水原一平元通訳のスキャンダルが現地でドラマ化に向けて前進 制作陣の顔ぶれから伝わる“本気度” 
女性セブン
「池田温泉」は旅館事業者の“夜逃げ”をどう捉えるのか(左は池田温泉HPより、右は夜逃げするオーナー・A氏)
「支払われないまま夜逃げされた」突如閉鎖した岐阜・池田温泉旅館、仕入れ先の生産者が嘆きの声…従業員が告発する実情「机上に請求書の山が…」
NEWSポストセブン
バラエティ、モデル、女優と活躍の幅を広げる森香澄(写真/AFLO)
《東京駅23時のほろ酔いキャミ姿で肩を…》森香澄、“若手イケメン俳優”を前につい漏らした現在の恋愛事情
NEWSポストセブン
柳沢きみお氏の闘病経験は『大市民 がん闘病記』にも色濃く反映されている
【独占告白】人気漫画家・柳沢きみお氏が語る“がん闘病” 今なお連載3本を抱え月産160ページを描く76歳が明かした「人生で一番楽しい時間」
週刊ポスト
芸能界の“三刀流”豊田ルナ
芸能界の“三刀流”豊田ルナ グラビア撮影後に語った思い「私の人生は母に助けられている」
NEWSポストセブン
ラーメン二郎・全45店舗を3周達成した新チトセさん
「友達はもう一緒に並んでくれない…」ラーメン二郎の日本全国45店舗を“3周”した新チトセ氏、批判殺到した“食事は20分以内”張り紙に持論
NEWSポストセブン