結成25年のマシンガンズは「3本目のネタがない」という状況を“ネタ”にした漫才を披露
「フジテレビの建物自体が緊張している感じだった」
──1回戦の金属バットとの対決から振り返って欲しいのですが、あのときの2人はものすごく硬くなかったですか? いつもの奔放さというか、やぶれかぶれ感が出てないなと思ってしまったのですが。
滝沢:初戦は重かったな。ウケるところはウケるんだけど、その間が繋がっていかないんだよ。ネタとネタの間が盛り上がらない。
西堀:初めての大会の、最初の対戦という緊張感はあったよな。リハーサルの段階から、フジテレビの建物自体が緊張している感じだったもん。初戦は難しかったよな。もうちょっと苦しければ、俺、言ってましたよ。「みんなも緊張してるのかな?」って。ただ、そこまで客の方に降りていかなければならないほどスベってもないんですよ。
滝沢:ネタをやってたら、客が起きるパターンもあるので、そこまで降りない方がいいときもある。あそこは西堀がよく耐えたんじゃないかな。
西堀:でも、わかんないね。何が正解だったのか。今でも。
──マシンガンズの強みは、気持ちいいくらいに「負け前提」で戦えるところだと思っていたんです。だから、ファイナルまで勝ち進んで、少しでも色気が出てきたら、どうなっちゃうのかなと思っていて。そのあたりの心境の変化はありませんでしたか。
滝沢:金属バット戦だけは例外だったかも。というのも、うちに子どもの小学校の友だちとかが集まっていて、25人くらいでテレビを観ていたんです。WBCの決勝みたいなもんですよ。番組が始まって、いきなり俺らが負けたら、その後、うちの空気は地獄じゃないですか。なので、1回戦突破だけはマストだった。僅差ですけど金属バットに勝ったときはホッとしましたね。最低限のノルマは果たした、と。あとは、また通常運転に戻りました。いつ負けてもいいというスタイルです。
──あと、金属バットの対戦を終えた後、アンバサダーの松本(人志)さんが「マシンガンズはM-1の決勝で見れると思っていて……」と、金属バットのことをマシンガンズと呼んでしまうという一幕もありましたよね。
西堀:嬉しかったなぁ。あの神様がそんな風に思っていてくれたんだ、って。最初は、夢心地で聞いていましたよ。
滝沢:よくよく考えたら、そんなわけないんですよ。僕ら、とうの昔にM-1の出場資格を失っているんですから。何年前の話だよ、って。
西堀:勘違いしてるんだと気づいいたときは、ずっこけましたね。あまりの衝撃に、腰が砕け散ったかと思いましたよ。
【後編に続く】