結成16年以上の漫才師による漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」で準優勝したマシンガンズ。優勝したギャロップとの決勝戦で「ネタがない」と言いながら披露した“アドリブ漫才”は大きなインパクトを残した。ベスト4の漫才師たちへの連続インタビューで、マシンガンズの2人が「伝説の3本目のネタ」について振り返った。【前後編の前編】(聞き手/中村計=ノンフィクションライター、『笑い神 M-1、その純情と狂気』著者)
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──今大会は結果的には準優勝に終わりましたが、決勝で「もうネタがない」という伝説的な即興漫才を披露し、その後、露出も一気に増えました。限りなく優勝に近い準優勝と言っていいのではないですか。
滝沢秀一:でも、最後、ギャロップが1000万円のパネルを手にしているのを見たときは悔しかったな。もう少しがんばったら、1000万もらえたんだ、って。
西堀亮:あのパネルだよな。あれが出てきたときがいちばん悔しかった。1000万って書いてあって。あれが出てくるまでは、いやいや、十分だよって思えてたんだけど。金のこと考えてたら、(優勝した)ギャロップが泥棒みたいに見えてきてさ。ははははは。
──予選の勢いを見ていたら、このままマシンガンズが一気に頂点まで駆け上がるのではないかと思っていましたが、2人はそのあたりはどう感じていたのですか。
滝沢:もちろん、「優勝するぞ!」みたいな気持ちもありましたけど、その一方で、優勝できないパターンも想定していました。25年も芸人を続けていると、自分が傷つかないように保険をかけるようになってくるんですよ。M-1もそうでしたけど、今まで何度となく敗北を経験していますから。自分の笑いを否定されるのって、本当に傷つくので。
西堀:そもそも僕らはこの大会に出るつもりもなかったんですよ。マネージャーが半ば強引に申し込んでしまったから、仕方なく出ただけで。なので、最初の選考でベスト32に残れただけで満足だった。もう、いつ負けてもいいや、と。そうしたら、ベスト16に残り、さらにはベスト8になった。俺らがテレビに出るのか、と。えらいこっちゃ、これは大ごとになってきたぞと思っていたら、本番の2~3日前、体がバキバキになって、起き上がることができなくなっちゃったんです。