ビジネス

「フィリピンで金を採掘して一攫千金」、暴力団員が「ロマンを感じて」騙された詐欺の手口

1グラム当たり1万円台に乗せた金の店頭小売価格を示すモニター。2023年8月29日午前(時事通信フォト)

1グラム当たり1万円台に乗せた金の店頭小売価格を示すモニター。2023年8月29日午前(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、価格上昇で注目の「金」について、暴力団員が騙された採掘ビジネスへの投資について。

 * * *
 金の国内小売価格が8月29日、1グラムあたり1万円を超えたと報じられた。円相場が1ドル146円台に値下がりしたことも、金相場が値上がりしている要因だという。金の高騰と聞いて、ある暴力団組員の話を思い出した。

 彼はフィリピンの海岸沿いで行われている手掘りの金採掘に投資していると話してくれた。「海岸沿いに掘った縦穴を囲って水を汲みだし、金を採掘する予定なんだ」と、その様子を映した動画を楽しそうに見せてくれたのだ。

 当時のフィリピンでは海岸沿いや川沿いで金の採掘が盛んに行われていると、現地に遊びに出かけた時、向こうに住む日本人A氏に聞いたのだ。A氏は、このビジネスに投資して、けっこうな量の金を採掘して儲かったと話したらしい。金の採掘という儲け話に心が動いたのは組員だけでない。一緒に聞いた彼の下にいる若い組員も乗り気になった。

「金といっても砂金だが、一攫千金が狙えるかもしれない。若いのもやってみたいというし、ダメ元で夢を買ったと思えばいい」と組員は思ったという。金の採掘にロマンを感じたのだ。最初の投資は採掘のために必要な設備を購入するための数十万円で、あとは自分や現地の安い労働力を使って採掘する。A氏がコンサルティングをし、現地で監督をすると言うので、彼は投資することにしたのだ。

 フィリピンでは海岸沿いや川沿いで行われる水中での金採掘をコンプレッサー採掘と呼んでいたようだ。縦穴を掘り、そこに深さ10メートル近くあるシャフトを使って潜り、金を採掘する。潜っている人間は、水面にあるコンプレッサーからチューブで空気を送って呼吸をする。コンプレッサーから空気を送るため、水中に数時間、留まることが可能だというが、潜水病や水質汚染による感染症などの危険がつきまとい、場合によっては溺死することも過去にあったという。

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン