本当の勝負は合コンの後
合コンはきっちり2時間で終了。スタッフの指示で先に男性が退出する。女性を先に出すと帰ってしまうため、男性が後から会場を出てきた女性に声をかけやすいようにするための配慮だろう。
A美さんと会場を出ると、彼女の前に数人の男性が駆け寄る。この後2次会に行くようだ。記者も一緒にどうかと誘われたが、そんなに野暮ではない。
A美さんのような、常に笑顔で出しゃばらず、男性の話をじっくり聞いてあげる女性はいくつになってもモテるのだなと、ひとりうなずきながら、夕方の都心に消えていく彼女たちの後ろ姿を見送った。そんなA美さんだが、夫とは15年以上セックスレスだという。不謹慎ながら、彼女が今夜、満たされたらいいな、と思ってしまった。
さて、記者自身はどうするかなと立ち止まっていると、話しかけてくれたありがたい男性が。最初に同じ席に着いた先輩後輩の2人組だ。すでに2次会の個室居酒屋を予約済みだった。さらに突っこんだ話が聞けるかもと、喜んで同行。終電まで3軒の飲み屋をはしごし、盛り上がった。残念ながら(?)色っぽい話にまで発展しなかったが、知らない男性と深夜まで遊ぶなど、結婚してから経験がない。そういえば亀山さんが、
「既婚者合コンには、その時間だけ“別の人間になれる”という楽しみ方もある」
と言っていた。妻でも母でもない別の自分になって遊ぶ。学生に戻った気分が味わえた。
楽しかったとはいえ、帰宅後、彼らに連絡をすることはなかった。あっさりしたものだ。別に不倫相手が見つからなくてもいい。家庭や仕事での役割を忘れて、その瞬間を楽しむ。既婚者合コンには、そういう楽しみ方もあるのかもしれない。
※女性セブン2023年9月21日号