その他、マスク氏よりブロック機能をなくす旨の発言があったり、記事ツイートのタイトルと記事本文の埋め込み表示の廃止が決定したりしている。さらにはプライバシーポリシー改定で生体情報や学歴、職歴などの個人情報を収集すると変わるなどしている。
2006年に米国でサービス開始、2008年に日本版がリリースされ、2011年の東日本大震災をきっかけに災害時の緊急連絡ツールとして注目を集めたミニブログのTwitter(現X)は、いまでは日本の2人に1人、約5000万人のユーザー数を抱える。使いやすさを追求してユーザーが開発した非公式アプリが広く使われ、ユーザー発信で広まった非公式の機能が公式に逆輸入されるなど、他のSNSと比べてユーザー主導で発展してきた側面が強い。それに対して、Xのイーロン・マスク氏が現在、次々と発表する変更はユーザーから運用にアクセスできる機会を大幅に制限するため、ネットでの権利や自由が奪われる危機感を抱かせるものだった。その怖れもあってX離れが起きるのではと予想され、受け皿のひとつとして名乗り出たのがFacebookやInstagramの運営で知られるメタ社の短文投稿サービス「Threads」だ。
Twitterの閲覧制限危機に乗じてスタート
Threadsは、前述のTwitterの閲覧制限が始まったことをきっかけに、もともとのリリース予定を前倒しで発表されたのだ。機能や見た目などTwitterとそっくりで、Xが「Twitterの元従業員を引き抜き知的財産権を脅かした」とメタ社を訴えるとしたほどだ。
Instagramのアカウントがあればすぐに作れるため、開始1日間で登録ユーザー数が1億人を達成して話題に。Instagramは月間アクティブアカウント数が世界で20億以上となっており、Instagramの利用率の高さが登録の後押しをしたことは間違いないだろう。
登録したユーザーは多かったのだが、利用するとまったくの別物感が強かった。リリース当初は、フォローしたユーザーの投稿を見ることもできず、DMや検索機能もなかったのだ。タイムラインには知らないユーザーの投稿が並び、フォローしなくてもタイムラインが賑やかだったが、内容は混沌としていた。SNSでは、自分が興味あることの情報を効率的に得るためにフォローなどをして独自のタイムラインを整えていくものだが、興味がないことばかり並んでいたのだ。