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夫・吉田喜重監督に先立たれて1年の岡田茉莉子「受け入れるのはまだ先になりそう。これから悲しみが来るんでしょうね」

コロナ禍以前まで1年に1度はヨーロッパ旅行にふたりで出かけていたと岡田(左)は振り返る。宿の手配やスケジューリングはすべて吉田さん(右)の仕事だった

コロナ禍以前まで1年に1度はヨーロッパ旅行にふたりで出かけていたと岡田(左)は振り返る。宿の手配やスケジューリングはすべて吉田さん(右)の仕事だった

 病めるときも健やかなるときも。そう誓い合って一緒になったふたりにも、いつかは永遠の別れがやって来る。長く寄り添った夫を失った後、妻はその後の人生をどう生きるべきか。

「まだね、実感が伴ってないんです。毎日帰って来るような気がして、玄関にスリッパを並べて置いています」

 ふたりで行った最後の旅行となったベネチアで撮った写真を愛おしそうに見つめながら、静かに口を開いたのは女優の岡田茉莉子(90才)。夫で、『嵐が丘』などの作品を世に送り出した映画監督の吉田喜重さん(享年89)が2022年12月に他界してからもうすぐ1年。「一緒に長生きしよう」を合言葉に、亡くなる前日まで元気に過ごしていたが、翌朝不調を訴えて救急車で病院に運ばれ、診察を待つ間に帰らぬ人となった。死因は肺炎だった。

「あまりに突然のことで信じられず、いまも夫を思わないときはありません。日課だった朝のコーヒーは、今日も2人分用意してきました。

 夫の好物だったかにを食べれば、“食べたかっただろうな”と思いますし、特に残念なのは今年の阪神タイガースの活躍ぶりを見せられなかったこと。夫も私も大の阪神ファンで、リビングのテレビの前でよく応援したものです。コロナ禍の前は、毎年のようにヨーロッパ旅行にも出かけていたんですよ」(岡田・以下同)

 ふたりが愛を深めるきっかけとなったのは、吉田さんが監督した岡田の主演映画『秋津温泉』(1962年)だ。当時は日本映画の黄金期で、29才の岡田はすでに大スター。原節子や高峰三枝子と肩を並べ、月1本のペースで新作に出演し続けた岡田が出演100本目の記念作品として選んだのが『秋津温泉』だった。

 自らプロデューサーとしても映画にかかわった岡田は「この作品で女優としてのイメージを大きく変えたい」と、デビューして間もない吉田さんを監督として指名。

「彼のデビュー作『ろくでなし』の脚本を読んで、その才能の底知れなさに驚嘆したんです。その頃からずっと私は『彼が言うことに間違いはない』と信じていますし、たとえ違うと思ったとしても、彼は絶対に譲らない人。私たちは一度もけんかすることなく夫婦生活を終えたわけですが、もし円満の秘訣をお伝えするなら、夫と意見が合わなくても合わせておくことです(笑い)」

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