海外の人に比べ、日本人は“病院好き”
後悔しないためには、まずは医師に「どんなリスクがあるか」「手術はできるだけ受けたくない」「ほかの治療法はないか」「不安なのでセカンドオピニオンをしたい」などと申し出よう。それで拒否するようなら、その医師はあまり信頼できないかもしれない。
歯科治療も同様で「虫歯を削って埋める、被せる」という古い考え方で治療を繰り返していると、かえって歯を失うリスクを高めることになる。
「虫歯が見つかったら、まず歯を削るのではなく、歯ブラシやデンタルフロスの使用を見直す『予防歯科』を実践するのがいまの主流です。また、歯を失ったときに一部の歯科医が“インプラント治療ですべて解決する”と説明していますが、実際は『予防歯科』をしなければ、高額な費用をかけたインプラントも失うハメになります。“入れたから安心”というわけではありません」(岩澤さん)
時代にそぐわない治療にリスクがある一方、新しい治療法がいいかというと、一概にそうとは言い切れない。特に近年流行している“自由診療”には注意が必要だ。プラセンタ注射やニンニク注射、高濃度ビタミンC点滴などは、意味がないばかりか健康上の未知のリスクさえあると、新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦さんは警鐘を鳴らす。
「ニンニク注射とは、ビタミンB1の注射のこと。疲労回復にいいとうたわれていますが、ビタミンB1を注射してもそのような効果は一切ないことが証明されています。一切効果がないから、保険診療では取り扱うことができず、自由診療になっているのです。
高濃度ビタミンC点滴では、国の指針に沿った用量をはるかに超えた大量のビタミン剤が使われている。それほどの高濃度で繰り返し体内に入れれば、予想外の副作用が起きる可能性も充分に考えられ、時に危険かもしれません」(岡田さん)
※女性セブン2023年11月9日号
病院に行くべき症状の目安
受けるべき、受けなくていい検査は
リスクがある治療と薬