ライフ

見える化し、予測するデータ活用サービス「egaku」未来を変えるためにまずは介護現場を変える

SOMPOケアegaku事業本部特命部長・平沼直樹氏

SOMPOケア egaku事業本部特命部長・平沼直樹氏

大きな危機感から開発が始まった

 SOMPOケアでは、『睡眠センサー』による睡眠サイクル、食事、生活習慣や健康状態などの入居者の情報を一元化する、画期的なデータ活用サービス『egaku』を開発し、施設への導入を進めている。

 開発の経緯をSOMPOケアegaku事業本部特命部長の平沼直樹氏が語る。

「開発プロジェクトは、大きな危機感から始まりました。加速する少子高齢化を背景に、働き手となる生産年齢人口が減少の一途をたどり、介護を必要とする高齢者の方々が右肩上がりで増えています。その影響を一番受けるのが私たち介護業界。未来につなげられる持続可能な介護の仕組みを早急につくり出す必要があったのです」

 入居者へ質の高いサービスをこの先も提供し続けるためには、職員の業務負荷の軽減や職場環境の改善などを行ない、今の現場を変えることが使命だった。

 ビッグデータを駆使するサービス開発の最初の一歩は、介護現場で職員から話を聞き、困っていることの掘り下げから始まったという。

3か月後の健康状態をAIが予測

『egaku』は「見える介護」と「予測する介護」を機能の2本柱に据えている。「見える介護」は入居者一人あたり約600項目の情報を“見える化”することで、その時々の状態に最適な介護の提供を実現する。

「ある職員は、『egaku』の情報でご入居者さまの体重減少に気づき、原因をご本人に探ったところ『食べ物が噛みづらくなった』ことが判明し、食事を工夫したそうです。データ活用とコミュニケーションの両輪で問題解決に至った例です」

 一方、「予測する介護」は3か月後の健康状態をAIが予測し、ケアプランの見直しや援助の早期介入によって重篤化の予防を図る。

「過去数万人のビッグデータを元にAIが予測します。3か月後に生活機能や状態が悪化するという予測をとらえた場合、『今のうちにこんな活動はいかがでしょうか』と提案でき、悪化を食い止めるのに役立ちます」

『egaku』を導入した施設からは、「ケアプランの見直しに必要な情報収集・分析の時間を50%削減できた」などの声も届いている。創出された時間は、入居者とのコミュニケーションを増やし、入居者の生活の質を向上させることに使える。

 SOMPOケアは運営する全280の介護付きホームへの『egaku』導入を24年度末までに完了する方針だ。

SOMPOケアの「egaku」

SOMPOケアの「egaku」

企業製品の効果実験や介護現場での実証実験にも取り組む

「人間」と「テクノロジー」の共生による「新しい介護のあり方」を提唱する研究所「Future Care Lab in Japan」。ラボでは介護福祉に関する革新的なテクノロジーを国内外から導入し、介護現場での実証実験を進めている。

自動式ラップ機構搭載のオムツ回収箱『ラップポン・パケット』(日本セイフティー)

自動式ラップ機構搭載のオムツ回収箱『ラップポン・パケット』(日本セイフティー)

 テクノロジー企業とコラボし、介護現場の生の声を反映して企画・開発される機器の効果検証や介護施設での実証実験、製品化をサポート。自動体位変換マットレスや、肌の汚れを落とす泡発生装置など、介護現場の課題やニーズに合っているか検討や実証をしたうえで各機器を施設に導入している。

自動体位変換で床ずれなどを軽減するエアマットレス『ラグーナ』(ケープ)

自動体位変換で床ずれなどを軽減するエアマットレス『ラグーナ』(ケープ)

0.001mm以下の泡を発生させ、こすらずに肌の汚れを除去する装置『ピュアット』(金星)

0.001mm以下の泡を発生させ、こすらずに肌の汚れを除去する装置『ピュアット』(金星)

SOMPOケアの介護付きホーム

介護が必要な高齢者が、24時間常駐する職員による食事・入浴・排泄などの介護サービスを受けながら暮らせる「介護付有料老人ホーム」(要支援1~要介護5 ※施設によっては要介護1からの入居)

◆そんぽの家

そんぽの家

そんぽの家

自分の時間を大切にできるよう全居室が個室仕様で、台所や浴室を備えたタイプが多い。各専門職員が「チームケア」でサポートする。前払金0円(一部ホーム除く)が基本の利用しやすい料金体系

「そんぽの家」の施設イメージ動画はこちら

◆ラヴィーレ

ラヴィーレ

ラヴィーレ

ラウンジやカフェなど上質感のある共用空間が充実。介護・医療の専門職員が密に連携する「チームケア」で入居者をサポート。アクティビティも多彩で、入居者の自立支援につながる介護を実践する

「ラヴィーレ」の施設イメージ動画はこちら

◆ラヴィーレグラン

ラヴィーレグラン

ラヴィーレグラン

ワンランク上の居室を用意。家族と過ごせるダイニングやバーなど多彩な共用空間が生活に彩りを与える。コンシェルジュによる生活支援、24時間医療連携やリハビリテーションなど健康支援も充実

「ラヴィーレグラン」の施設イメージ動画はこちら

SOMPOケアのサービス付き高齢者向け住宅

バリアフリーに対応した高齢者向け賃貸住宅。安否確認や生活相談などの生活支援サービスがあり、生活自由度が高いのが特徴(自立~要介護5)

◆そんぽの家S

そんぽの家S

そんぽの家S

ワンルームマンションのような生活空間に、生活支援サービスをプラス。職員が24時間常駐し緊急対応や安否確認を行ない、心身の状態に応じて介護・医療サービスを自由に選ぶことができる

「そんぽの家S」の施設イメージ動画はこちら

◆ラヴィーレレジデンス

ラヴィーレレジデンス

ラヴィーレレジデンス

プライバシーに配慮した住空間設計で、ワンルームから夫婦で暮らせる2LDKまでを用意。コンシェルジュが暮らしに寄り添い、医療機関や在宅介護事業所とも連携。介護が必要になっても安心して住み続けられる

「ラヴィーレレジデンス」の施設イメージ動画はこちら

その他のホーム

◆グループホーム

9名以下の少人数で共同生活を送れる入居サービス。要支援2以上で認知症と診断、常時、医療機関での治療が必要ないことなどが利用条件

◆ケアハウス

自治体の助成が受けられるサービス。60歳以上で生活に不安・困難がある人のための「自立棟」、要介護1以上の人のための「介護棟」を用意する

「ホーム」の他にも訪問介護や通所介護(デイサービス)など、生活を支える多様な介護サービスを全国各地域で展開!

協力/SOMPOケア

資料請求・お問い合わせ 0120-37-1865
https://www.sompocare.com

関連キーワード

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン