ライフ

さいとう・プロの作画チーフが語る『ゴルゴ13』制作の裏側 「コマ一つとっても映画を撮るような発想で描かれている」

さいとう・プロダクションで作画チーフをつとめるふじわら・よしひで氏

さいとう・プロダクションで作画チーフをつとめるふじわら・よしひで氏

 劇画家さいとう・たかを氏が設立した「さいとう・プロダクション」は、各スタッフの分業体制により作品を制作するという方式を確立、さいとう氏亡き後はシナリオは脚本家に任せ、作画はチームで分業する「プロダクション・システム」を構築し、今も『ゴルゴ13』新作の制作が続けられている。現在、さいとう・プロで作画チーフをつとめるふじわら・よしひで氏に、連載から55周年となった『ゴルゴ13』制作について聞いた。

 * * *
 私はかつて自分の連載も持っていて、X(旧ツイッター)で「次回作は?」と聞かれたりしますが、黙っています(笑)。今はさいとう・プロの仕事に専念しています。

 さいとう先生からは、「構図を決めるときは3台のカメラを持て」と教わりました。1つのコマを描くときに、アップ、ロング、俯瞰の3つのカメラで眺め、もっとも効果的な構図で描くということです。さいとう・プロの制作体制は分業制で、映画の製作とよく似ているのですが、コマ一つとっても映画を撮るような発想で描かれているのです。

 あくまで自分の趣味なんですが、1970年代の劇画ブームの頃に『ゴルゴ13』から強く影響を受けたので、1970年代の雰囲気だけでも捉まえられたらいいなと思って、昔を思い出しながら描いています。

【プロフィール】
ふじわら・よしひで/1966年、鳥取県生まれ。1986年に『私立終点高校』で漫画家デビュー。代表作に『拳児』『ジーザス』『コンデ・コマ』『闇のイージス』などがある。2019年からさいとう・プロに作画スタッフとして所属。

取材・文/清水典之

※週刊ポスト2023年11月17・24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト