国内

現役医師&薬剤師50名が選ぶ「私がのまない市販薬ランキング」 1位は総合感冒薬、2位は刺激性の便秘薬

現役医師&薬剤師が選ぶのまない市販薬とは?(写真/PIXTA)

現役医師&薬剤師が選ぶのまない市販薬とは?(写真/PIXTA)

「ドラッグストアの数はコンビニより多い」──頭痛薬に便秘薬、目薬まで棚にはあらゆる不調を治してくれる“強い味方”がずらりと並び、誰でもいつでも自由に購入し、つらいと思ったらすぐにのめる。しかし、服用の判断が一人ひとりに任されているので、味方だったはずの薬が敵に変わる瞬間が少なからずやってくる。専門家たちが警鐘を鳴らす「私たちは買わないその一箱」。

 このままでは、“冬のパンデミック”を乗り切れない—新型コロナ患者は依然として減らず、インフルエンザも猛威を振るういま、全国の薬局や病院から悲鳴が相次いでいる。都内の調剤薬局に勤める薬剤師のMさん(47才)がため息をつく。

「感染症の大流行にジェネリックメーカーの相次ぐ不祥事が重なり、医薬品不足が深刻化しているんです。特にせき止めや痰を切る薬は品薄で、この状況が続いたら処方箋があっても患者さんに薬を出せなくなる可能性もある。いつ在庫がなくなるかと戦々恐々としています」

 現場の逼迫を受け、厚生労働省は11月7日、製薬各社に薬の増産を要請。国を挙げて「薬不足」に対峙する事態となった。

 年末の長期休暇に向けて病院が混み合ういま、市販薬を確保して万が一の体の不調に備えようと考える人も多いだろう。しかし新潟大学名誉教授の岡田正彦さんは「安易に市販薬に頼ろうとするのは危険」だと待ったをかける。

「市販薬は知識をもって使えば有用なものです。ただしドラッグストアやネット通販で手軽に手に入るからといって、すべての市販薬が安全であるという考えは大きな間違いです。医師や薬剤師の管理のもとで服用する処方薬のように専門家の管理が行き届かない故に、無意識のうちに危険な成分を体内にため込んで、重篤な副作用につながる危険性がある。私も、“決して買わない”と決めている市販薬がいくつかあります」

 つまり市販薬は自由に購入できるからこそ、何を選ぶかの見極めが必要なのだ。 では実際、薬に精通した専門家たちはどの薬を“避けて”いるのか。現役医師・薬剤師50名の回答をランキング形式で紹介する。

【ランキング選出方法】
以下、50名の医師・歯科医・薬剤師に「使いたくない市販薬」を5つ挙げてもらい、最も使いたくないものから順に5点、4点、3点、2点、1点として計算した。

青島周一さん(薬剤師/徳仁会中野病院)、青柳泰史さん(放射線科医)、秋津壽男さん(秋津医院院長)、飯塚浩さん(精神科医/メディカルストレスケア飯塚クリニック院長)、宇井千穂さん(美容皮膚科医/やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院)、内野勝行さん(脳神経内科医)、大谷直さん(東陽町歯科医院)、大西良佳さん(麻酔科医/宇治川病院)、岡田正彦さん(新潟大学名誉教授)、尾崎章彦さん(常磐病院乳腺甲状腺外科部長・臨床研修センター長)、加藤陽子さん(歯科医師/三国歯科)、窪田徹矢さん(泌尿器科医/くぼたクリニック松戸五香)、久住英二さん(ナビタスクリニック立川医師)、古賀昭義さん(整形外科医/医療法人社団永生会クリニックグリーングラス)、佐々木欧さん(内科医/秋葉原駅クリニック)、左藤桂子さん(内科医)、佐藤留美さん(呼吸器科医/藤崎メディカルクリニック)、柴亜伊子さん(皮膚科医/あいこ皮フ科クリニック院長)、鈴木香奈さん(耳鼻科医/金沢駅前ぐっすりクリニック)、住田憲是さん(望クリニック院長)、高橋しづこさん(産婦人科医/山王メディカルセンター)、高橋徳さん(クリニック徳院長)、高橋怜奈さん(産婦人科医/渋谷文化村通りレディスクリニック)、武井智昭さん(内科医/医療法人つばさ会高座渋谷つばさクリニック)、竹中美恵子さん(小児科医)、田中亜希子さん(あきこクリニック院長)、谷本哲也さん(内科医/ナビタスクリニック川崎)、徳田安春さん(群星沖縄臨床研修センター総合診療医)、中嶋麻優子さん(歯科医師/中島歯科クリニック)、中原英臣さん(新渡戸文化短期大学名誉学長)、西本昇平さん(精神科・心療内科医)、永井敦さん(泌尿器科医/川崎医科大学附属病院病院長)、長澤育弘さん(薬剤師)、中村光伸さん(整形外科医/光伸メディカルクリニック)、橋口公章さん(はしぐち脳神経クリニック院長)、平松類さん(眼科医/二本松眼科病院)、福地裕三さん(性病科/にじいろクリニック新橋)、堀美智子さん(薬剤師)、前田佳宏さん(精神科医/和クリニック)、松生恒夫さん(松生クリニック院長)、松田明子さん(美容皮膚科医/センシンクリニック)、眞鍋憲正さん(内科医/市中病院)、三上彰貴子さん(薬剤師)、水上治さん(健康増進クリニック院長)、村山慎一郎さん(泌尿器科医/東京国際大堀病院)、山内彩さん(歯科医/デンタルケアステーション高田馬場)、山本佳奈さん(内科医/ナビタスクリニック/医療ガバナンス研究所)、渡邊宏行さん(精神科医)、渡辺尚彦さん(日本歯科大学内科客員教授)、渡辺信幸さん(中部徳洲会病院健康管理センター長)

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン