ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)

ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)

 ホスト業界における「売り掛け」は金額があまりに大きい傾向があることも、非難を集める一因となっている。一般労働者の平均賃金、一ヶ月あたり31万1800円(厚生労働省2022年「賃金構造基本調査」調べ)など一瞬で消し飛ぶ。一晩で何十万円、ときには何百万円にも及ぶことがある価格設定はそもそも、SNSきっかけで来店する若年層が増えている現在のホストクラブ客層と合っていない。

 だが、客が無茶をしているのを承知で店に招き入れ、継続的に来店するように促す。そして大きくなった「売り掛け」返済に協力する親切な顔でホストがすすめる仕事は、風俗業が多い。こういった事情を反映してなのか、「担当(ホスト)に売り掛けを払うために遠征」と、地方出張してまで稼ぎ札束を用意する様子をSNS投稿する女性が続出している。こればかりではなく、ときには非合法な手段で稼ぐような事態に陥っている。ホスト問題を取材する大手紙社会部記者が説明する。

「複数のホストの証言によれば、金がなくても女性を店に入れ、ガンガン飲ませます。財布の中身が空だろうと、借金だらけだろうと、女性なら売春やパパ活をさせればすぐに金を作ってくる、というのが彼らの見立てです。男性客だとこうはいきません。だからこそ、売り掛けはホストやメン地下(※メンズ地下アイドル)ならではのものと言われるのです」(大手紙社会部記者)

 もっとも、世間からの逆風が強まっても、雰囲気だけならホストたちは気にしていなかった。ところが今、鉄面皮だった彼らですら「客に逆襲される」可能性があることに気づき、初めて恐怖で震えている。

息も絶え絶えの男性を取り巻く周囲の目

「歌舞伎町で、ホストクラブ関係者が女性に刺されるという事件が起きました。私も偶然その場にいましたが、周囲の人たちは面白半分に”ホストが刺されたらしい”とか”ホストなら殺されてもしょうがない”と笑いながら、スマホで写真や動画を撮っていました。正直、ゾッとしてその場にいられなくなりました」

 前出の大手店在籍のホスト・光河さんが目撃した刺傷事件は、現在はホストクラブの内勤(※接客をしない従業員)として働いていた元ホストの男性が、元交際相手の女性に刺されたという事件だった。動機については「男性が女性のヒモになり、暴力を振るわれるなどしてキレた女性が刺した」と報じられている。二人が知り合ったのはマッチングアプリがきっかけで、ホストと客という関係性から発生した事件ではなかったのだが、光河さんは、息も絶え絶えの男性を取り巻く周囲の目を見て、今、ホストが社会からどう見られているか、改めて感じ取ったという。

「ホスト業界ならではのルールがあり、それは一般社会では受け入れられないようなものもたくさんあります。売り掛けなど、女性客を追い込むようなシステムがあるのも事実で、支払いに苦しんだり、ホストから相手にされなくなって自殺を図る女性客は後を絶ちません。それでも、ホストは増え続け、今ではキャバクラよりも勢いがある。金さえ儲かればなんでもよいという風潮も確かにあって、皆が見て見ぬふりをしてきた。そのツケを、今度はホストが払わなければならないのかと」(光河さん)

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