13勝2敗で大相撲11月場所を優勝した大関・霧島(時事通信フォト)

13勝2敗で大相撲11月場所を優勝した大関・霧島(時事通信フォト)

霧島の師匠・陸奥親方は協会の実質ナンバー2

 霧島にはさらなる追い風がありそうだ。師匠が協会の理事で実質ナンバー2とされる陸奥親方であることが関係しているという。相撲ジャーナリストが言う。

「陸奥部屋が所属する時津風一門には、現役時代に実績があって相撲協会の理事候補に相応しい親方がいない。そこで陸奥さんが“1期だけ”という条件で担ぎ出された。時津風一門は2人の理事を出しているが、年寄名跡の数のうえでは本来、1人しか出せない。そのため、理事選にあたっては提携関係にある伊勢ヶ濱一門の余った票はもちろん、二所ノ関一門からも調整して回すことになっていた。陸奥さんは二所ノ関一門の大寿山(現・花籠親方)、若嶋津(現・荒磯親方)と初土俵が同じ同期生ですからね。

 4人の理事を出せる出羽海一門でも陸奥さんフォローすることになっていた。八角理事長の後ろ盾である尾車親方(元大関・琴風)の支援もあるので、各一門が後押ししやすい構図があるのです。もちろん陸奥さんの人柄、人望もある。九州場所中は理事室で理事や副理事、役員待遇など協会執行部が一緒にテレビ観戦しており、そうしたなかで“愛弟子を師匠の定年前に横綱に”と前向きな空気になっている」

 それに対し、貴景勝の師匠は元貴乃花一門の常盤山親方(元小結・隆三杉)。貴乃花親方が協会を去ったことで弟子を受け入れることになった。言ってみれば“貴乃花の遺産”という位置づけになる。前出・相撲ジャーナリストが続ける。

「旧貴乃花一門の親方衆は二所ノ関一門や出羽海一門に分散したが、いずれの親方も要職に就けないでいる。立ち合いの態度が悪いと注意を受けた豊昇龍は、朝青龍の甥っ子というマイナス要因もあるが、旧貴乃花一門の立浪部屋(元小結・旭豊)の所属で目をつけられやすい。協会執行部と貴乃花親方が骨肉の権力闘争が繰り広げられたのは5年前の話になりますが、その因縁は今の角界に根深く残っているのです」

※週刊ポスト2023年12月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン