もし、夫の側に妻以外の意中の人がいて、妻に離婚を切り出そうとする場合でも、受け入れられるケースは多い気がします。女性が世間体などを気にして離婚を受け入れないことはなくはないでしょうが、金銭面で考えると、自宅を売却するなどして財産を分けることができれば、2人がそれぞれ有料老人ホームなどに入るだけの予算は捻出できるかもしれない。昔と比べても、夫婦が「性格が合わないから離婚する」と決断しやすい条件は揃っていると考えます。
こうして見てくると、男であろうが女であろうが、離婚や死別で老後に「1人になることの心配」は杞憂に終わることが多いと言えそうです。(了)
ベストセラー作家の和田秀樹医師が現役世代の悩みを吹き飛ばす「生き方」のコツを指南(撮影/三浦憲治)
【プロフィール】
和田秀樹(わだ・ひでき)/1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授、ルネクリニック東京院院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。『80歳の壁』は2022年の年間ベストセラー総合第1位(トーハン・日販調べ)に。