萩生田光一・政調会長(時事通信フォト)
どの議員がパーティー券を何枚売ったかの本当の金額と、キックバックの金額を知るのはX氏とごく少数の派閥幹部だけだという。
ところが最近、X氏の言動に異変が起きていた。特捜部の捜査が表面化する前のことだ。別のベテラン秘書の話である。
「X氏が複数の事務所の秘書にパーティー券の代金について問い合わせを始めたんです。代金を派閥の口座に振り込んだ分は通帳に記録があり、現金で持ち込んだ分も金額は各事務所が提出した帳簿でわかるが、誰が持ってきたかまでは記録していない。
だからX氏は『現金で持参したのは〇〇さんで間違いないか』とか、派閥から代金のキックバックを受けた事務所には『現金を受け取ったのは〇〇さんで間違いないか』と慌てた様子で確認して回っていた。秘書の間では、“あの時にはもう特捜部の事情聴取を受けていたのでは”という話になっている」
だとすれば、特捜部はX氏の供述からキックバックの金額や誰が現金で受け取ったかまで詳細に掴んでいる可能性が高い。
今後の捜査のポイントは、X氏が上司の事務総長や派閥幹部の具体的関与について、どこまで特捜部に供述するかになる。
「裏金づくりは誰の指示だったのか?」
本誌記者がX氏に質問したのはまさにその点だったが、答えは返ってこなかった。
※週刊ポスト2023年12月22日号