霧島が横綱に昇進すれば時津風一門内で争奪戦も
陸奥部屋の力士も「いろんな話を聞くが、正直どうなるのかわからない」と戸惑いを見せている。改めて陸奥部屋に来年4月以降の部屋の運営について質問したが、回答はなかった。部屋が閉鎖されれば、所属力士たちは移籍となる。まとめてどこかに引き取られる際には、部屋に横綱がいるかで“価値”が変わってくる。
相撲部屋は協会からの補助金を得ており、「力士養成費」(幕下以下は力士1人あたり月7万円)、「稽古場経費」(場所ごとに力士1人あたり5万5000円)、「相撲部屋維持費」(場所ごとに力士1人あたり11万5000円)が支給される。前出・協会関係者が続ける。
「それに加えて、十両以上の関取がいる部屋には場所ごとに『養成奨励金』が支給され、十両なら年間114万円(場所ごとに19万円)、幕内126万円(同21万円)、関脇・小結156万円(同26万円)、大関216万円(同36万円)、横綱276万円(同46万円)と番付によって大きな差がある。力士を引き取って移籍先となる部屋は『養成奨励金』も一緒に得られるのが大きい。横綱がいればなおのこと引く手あまたになる」
1月場所で霧島が横綱に昇進すれば、同じ時津風一門内での争奪戦になることが予想されるわけだ。
「吸収合併できるのは時津風一門の部屋ということになりますが、一門には陸奥部屋以外に部屋が4つ(伊勢ノ海、追手風、時津風、荒汐)しかない。霧島が出稽古に行くことの多くて関係性が深いのは荒汐部屋ですが、実現すればもともと荒汐部屋に所属する若元春や若隆景が、霧島との対戦がなくなる。取組的には面白くなくなるものの、若元春が大関昇進を目指すには有利という考え方もある」(前出・協会関係者)