「ヒルズ」シリーズ随一の延床面積

 麻布台ヒルズにまつわる数字や記録を見ると、森ビルにとって肝いり事業であることが実感できる。

 総事業費は6400億円。これは六本木ヒルズの2倍以上にあたる。商業施設のほか、都心で最大規模のインターナショナルスクールや高級ホテル、デジタルアートミュージアムなどを有し、東京の国際競争力向上にも寄与するだろう。

「ヒルズ」シリーズ随一の延床面積に入る約150店舗の中には関東初出店の書店や、海外初出店のレストランなど「初」とつくものが11店舗あるのも注目だ。

 緑地が多いのも特徴で、約320種もの植物が高低差のある地形に植えられ、緑に包まれるような感覚だ。観光客が気軽に立ち寄れる無料の展望台もある。「日本一」の雰囲気を上から、下から、味わいに行くのも一興だ。

【ワンランク上のアート世界】
 麻布台ヒルズは都市作りに「文化」を最重要要素として掲げている。その一翼を担うのが、今年「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞したアイスランド系デンマーク人のオラファー・エリアソン。彼は自然現象を切り口に、麻布台ヒルズ開業に合わせてパブリックアートを制作した(2024年3月31日まで開館記念展を開催中)。また、初の実店舗となった「集英社マンガアートヘリテージ」では、人気コミック『ONE PIECE』や『ベルサイユのばら』のアートギャラリーが完成。限定版の作品も販売されている。

オラファー・エリアソン《蛍の生物圏(マグマの流星)》2023年撮影:Jens Ziehe(C)2023Olafur

オラファー・エリアソン《蛍の生物圏(マグマの流星)》2023年撮影:Jens Ziehe(C)2023Olafur

【“初めて”だらけの最高峰商業施設】
 約150の選び抜かれた商業店舗が集まった麻布台ヒルズ。その内、約40店舗が初進出、新業態への挑戦となっている。一例として、フランス料理の巨匠・三國清三氏がプロデュースした「Dining33」では、コースで提供するフランス料理の概念を覆し、同氏が初の試みとなる大皿料理に挑戦するという。日本の食文化を昇華した新たなフランス料理に出合うことができる。

フランス料理の巨匠・三國清三氏がプロデュースした「Dining33」では、同氏が初の試みとなる大皿料理に挑戦するという

フランス料理の巨匠・三國清三氏がプロデュースした「Dining33」では、同氏が初の試みとなる大皿料理に挑戦するという

三國清三氏

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