また糖尿病は逆に、乾癬を悪化させることもわかってきた。それが乾癬マーチという考え方だ(表参照)。
イギリスの研究によれば、乾癬患者は非乾癬患者に比べ寿命が6年も短く、死因として心血管疾患が最も多かったとの報告がある。
「乾癬の治療は外用治療、光線治療、内服治療に生物学的製剤の治療が加わり、効果を上げています。その生物学的製剤は、炎症を惹起させるサイトカインの働きを阻害することにより、症状や合併症を抑制する働きをしています」(樋口教授)
現在、12種類の生物学的製剤が保険承認されているが、忘れてはいけないのは生活習慣病治療における体質改善と同様に、日常生活での偏らない食生活や適度なダイエット、軽い運動なども乾癬の改善につながるということだ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年1月12・19日号