ライフ

めまい、ふらつき、記憶力低下…その原因は薬だった? 医師と薬剤師が教える「薬をやめたら症状が治った」実例集

めまいでふらついて、思わぬけがを負うことも(写真/PIXTA)

めまいでふらついて、思わぬけがを負うことも(写真/PIXTA)

「体調が悪いから」「持病があるから」とせっせと薬をのんでいる人は多い。しかし、その症状の原因が実は薬だったとしたら──医師と薬剤師が明かす実例と、あなたの不調を照らし合わせて確かめてみてほしい。【前後編の前編。後編を読む

 路上でけいれんを起こした少女はろれつが回らず、意識がもうろうとしている。その様子をスマホで動画撮影し、ケラケラと笑う若者たち──いま10代を中心に、せき止め薬などを大量に服用し、酩酊感を得て精神的苦痛を和らげようとする「オーバードーズ」が、社会問題になっている。

 しかし、薬にまつわる問題は若者だけにあるわけではない。75才以上の約4分の1が7種類以上の薬をのんでいるという高齢者たちにこそ、薬のリスクは潜んでいる。薬剤師で銀座薬局代表の長澤育弘さんが説明する。

「そもそも6種類以上の薬を同時に服用すると副作用が倍増するといわれているうえ、のんでいる薬によっては、一剤でも副作用で認知機能が落ちることがあります。認知症ではないかと疑って別の病院にかかると今度は認知症の治療薬が処方され、その副作用を抑えるために睡眠薬が出されます。そうした薬の連鎖を『処方カスケード(滝)』といい、医療界をとりまく大きな問題になっています」

 次々に処方される薬によって、病気が作られていく──静岡県に住むMさん(77才/女性)もそのひとりだった。

「高血圧で降圧剤を服薬しながら、ひざと腰に痛みがあって複数の整形外科に通って、それぞれのクリニックで出された3種類の鎮痛剤を“お医者さんが出した薬だから”と何も考えずにのんでいました。あるとき薬局の薬剤師さんが、効き目の重なる薬が複数出ていることに気づき、病院に相談して鎮痛剤をやめました。ところが、薬をやめるとめまいのようなふらつきが出て、近所のコンビニで倒れてしまったんです」

 Mさんの体に何が起きたのか。

「担ぎ込まれた病院で“低血圧が原因です”と言われました。先生によれば、血圧が高かったのはのんでいた鎮痛剤の副作用である可能性が高かった。そして、鎮痛剤をやめたため今度は降圧剤が効きすぎて、めまいが起きたのではないかとのことでした。その先生の指導のもと徐々に薬をやめることができ、高血圧も改善され、めまいもなくなりました」(Mさん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

直面する新たな課題に宮内庁はどう対応するのか(写真/共同通信社)
《応募条件に「愛子さまが好きな方」》秋篠宮一家を批判する「皇室動画編集バイト」が求人サイトに多数掲載 直面する新しい課題に、宮内庁に求められる早急な対応
週刊ポスト
ポストシーズンに臨んでいる大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ポストシーズンで自宅の“警戒レベル”が上昇中 有名選手の留守宅が狙われる強盗事件が続出 遠征時には警備員を増員、パトカーが出動するなど地元警察と連携 
女性セブン
「週刊文春」の報道により小泉進次郎(時事通信フォト)
《小泉進次郎にステマ疑惑、勝手に離党騒動…》「出馬を取りやめたほうがいい」永田町から噴出する“進次郎おろし”と、小泉陣営の“ズレた問題意識”「そもそも緩い党員制度に問題ある」
NEWSポストセブン
懲役5年が言い渡されたハッシー
《人気棋士ハッシーに懲役5年判決》何度も「殺してやる」と呟き…元妻が証言した“クワで襲われた一部始終”「今も殺される夢を見る」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(左)、田淵幸一氏の「黄金バッテリー」対談
【江夏豊×田淵幸一「黄金バッテリー」対談】独走Vの藤川阪神について語り合う「1985年の日本一との違い」「短期決戦の戦い方」
週刊ポスト
浅香光代さんの稽古場に異変が…
《浅香光代さんの浅草豪邸から内縁夫(91)が姿を消して…》“ミッチー・サッチー騒動”発端となった稽古場が「オフィスルーム」に様変わりしていた
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
【前橋市長のモテすぎ素顔】「ドデカいタケノコもって笑顔ふりまく市長なんて他にいない」「彼女を誰が車で送るかで小競り合い」高齢者まで“メロメロ”にする小川市長の“魅力伝説”
NEWSポストセブン
関係者が語る真美子さんの「意外なドラテク」(getty image/共同通信)
《ポルシェを慣れた手つきで…》真美子さんが大谷翔平を隣に乗せて帰宅、「奥さんが運転というのは珍しい」関係者が語った“意外なドライビングテクニック”
NEWSポストセブン
部下の既婚男性と複数回にわたってラブホテルを訪れていた小川晶市長(写真/共同通信社)
《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 
女性セブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人の時効が消滅》「死ぬ間際まで與一を心配していました」重要指名手配犯・八田與一容疑者の“最大の味方”が逝去 祖母があらためて訴えた“事件の酌量”
NEWSポストセブン
男性部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長
「青空ジップラインからのラブホ」「ラブホからの灯籠流し」前橋・42歳女性市長、公務のスキマにラブホ利用の“過密スケジュール”
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したという坂口
《お相手は59歳会社員》坂口杏里、再婚は「ゼロ日」で…「ガルバの客として来てくれた」「専業主婦になりました」本人が語った「子供が欲しい」の真意
NEWSポストセブン