長門市にある安倍家の邸宅は工事中
安倍邸の近所の住民に話を聞いた。
「工事は昨年秋から長く続いていて、内部まで全面的に造り替えているようです。昭恵さんが住むんじゃないかとも言われている。あそこはこのあたりで一番のお屋敷で、子供の時に、中に入ってかくれんぼして遊んだ記憶があります。記念館という話は聞いていないが、長門は安倍家のもともとの地元なので、記念館になるなら歓迎です」
近所の住民たちも工事の理由は聞いていないようだ。
本誌・週刊ポストは、政治資金の相続や安倍邸の工事が「安倍記念館のためなのか」を取材するために昭恵夫人が代表を務める「晋和会」の政治資金収支報告書に記載されている事務所の番号に電話を入れると、「現在、使われておりません」の音声案内が流れ、昭恵夫人の携帯にかけても出なかった。
政治資金を監視する上脇博之・神戸学院大学教授が指摘する。
「昭恵氏は公職の候補者でなく、なったこともありません。そうした人物が自民党支部の資金を動かしている。残務処理という名目だが、そもそも政党支部には交付金が入っています。安倍氏が亡くなったのであれば、その政党支部は解散するのが筋で、解散すれば政党交付金の残金は国庫に返還することになっています。その資金を、安倍氏の資金管理団体に移したことは返還逃れに見えます。
そうした政党支部や安倍氏の政治団体が集めた億単位の資金を、昭恵氏という私人が引き継ぎ、事実上動かしていること自体が政治的、道義的に極めて問題で、それを許した自民党側の責任も問われる」
安倍氏が集めた政治資金は安倍家の相続財産ではない。政治家ではない昭恵夫人が受け継いだのだから、何に使うつもりなのか、国民に説明する責任があるはずだ。
※週刊ポスト2024年1月26日号