芸能

《恋愛ドラマ名門2枠ともに…》なぜ令和の今“心”? 永野芽郁と二階堂ふみのファンタジードラマに勝算はあるのか

初写真集の発売イベントに登場した永野芽郁

『君が心をくれたから』に主演する永野芽郁

 今冬クールの連続ドラマがスタートする中、ファンタジー作品が目立っている。とりわけ、フジテレビとTBSの恋愛ドラマの看板枠で、いずれも“心”をモチーフにした作品が放送されていることが注目を集めている。なぜ今、“心”なのか? その狙いについてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 今冬ドラマ最大の傾向は、ファンタジー要素を採り入れた作品が6つも放送されていること。なかでも比較されることで注目度を上げているのが、主人公が愛する人を救うために“心”を差し出す『君が心をくれたから』(フジテレビ系、月曜21時)と、“心”の声が聞こえる主人公があきらめていた恋をする『Eye Love You』(TBS系、火曜22時)です。

 ともに“心”をモチーフにしたファンタジー・ラブストーリーである上に、前者が永野芽郁さん(24歳)、後者が二階堂ふみさん(29歳)という20代の主演女優であること。それぞれ“フジの月9”と“TBSの火曜ドラマ”という恋愛ドラマの看板枠であることという共通点もあり、ネット上では何かと比較される機会が増えています。

 なぜ“心”をモチーフにした作品がかぶり、それぞれどんな勝算があるのか。さらに、もう1つ両作と比較されている意外な今冬のドラマについても掘り下げていきます。

「切なさと重さ」「明るさと軽さ」で勝負

 両作の共通点は前述したように、「20代主演女優のファンタジー・ラブストーリーであり、恋愛ドラマの看板枠で放送されていること」に加えて、「制作サイドがピュアな恋心を描こうとしている」こと。

『君が心をくれたから』は、高校時代に惹かれ合った逢原雨(永野芽郁)と朝野太陽(山田裕貴)が8年の年月を経ても一途な想いを貫こうとする様子が描かれています。一方の『Eye Love You』の第1話では、チョコレートショップの社長・本宮侑里(二階堂ふみ)に韓国人留学生のユン・テオ(チェ・ジンヒョプ)が「会えてうれしい」「僕のことは好きですか?」とストレートに好意をぶつけていくというストーリーが描かれました。

 ただ、両作の世界観はまさに真逆。『君が心をくれたから』は、太陽の命を救うために雨が“心”を差し出し、五感が1つずつ失われていく……という切なく悲しい物語。「想いは通じ合い、距離は近づいているのに、恋人としてできることが減っていく」という展開は、どこか重さを感じさせるところもあります。

 一方、『Eye Love You』は、「明るくストレートに恋を描きながら、なかなか距離が縮まらず、もどかしさを感じさせる」という王道のラブコメ。第1話から不意に抱き合うシーンが2回あるなどの胸キュン要素や、料理とチョコレート、ラッコのイラストやグッズなどの癒しも含め、随所に軽さを感じさせます。

『君が心をくれたから』の切なさと重さ、『Eye Love You』の明るさと軽さこそがピュアな恋心を描く上で視聴者を引きつけたいポイントであり、それぞれの勝算なのでしょう。

「よくある設定」ではない“心”

 では、なぜ“心”をモチーフにした作品がかぶったのか。

 近年、休日明けの月曜・火曜に放送される連ドラは、「考えすぎず気軽に見たい」「シリアスなムードや深く考えなければいけない物語は避けたい」などの視聴者傾向があると言われています。

 その視聴者傾向に合うのが、非現実的な設定を生かしたファンタジー作。実際、『君が心をくれたから』は「心を差し出す」という重い設定でも「架空の話」と割り切りやすく、『Eye Love You』は「心の声が聞こえる」ことをシンプルに恋や笑いにつなげています。

 両作とも原作のないオリジナルですが、ファンタジー作を手がける際にポイントとなるのは、“よくある設定”にしないこと。入れ替わり、幽霊、タイムリープなどの昭和時代から繰り返し使われ続けてきた設定は飽きられている感もあります。

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン