芸能

秋野暢子が忘れられない一品「野菜嫌いだった娘が平らげた老舗洋食店のロールキャベツ」

秋野暢子

秋野暢子が忘れられないご馳走、“最初の晩餐”を紹介

「最初に食べたご馳走は何ですか?」。子供の頃に母が作ってくれた料理、上京したときのレストラン、初任給で行った高級店…。著名人の記憶に刻まれている「初めて食べた忘れられない味」を語ってもらい、証言をもとに料理を編集部で再現する企画「私の最初の晩餐」。今回は女優・秋野暢子さん(67才)。

 大阪で生まれ、中学生の頃から学生演劇で注目を集めていた秋野さん。NHK連続テレビ小説『おはようさん』に主演し、18才にして全国的な人気を得た。高校卒業後は東京で活動し、25才で世田谷区に自宅を購入。以来、40年以上にわたって暮らしているが、この夏に一大決心をしたという。亡き母との思い出の詰まった自宅をリフォームし、2 世帯住宅に改造したのだ。

 * * *
 大好きな街ですが、祖師ヶ谷大蔵に家を建てたのは偶然でした。仕事が軌道に乗り始めた20才のとき、同居していた母に「欲しいものある?」なんて軽口を言ったら、「ウチ(一戸建て)が欲しいなあ」と。  

 私の実家は大阪の呉服屋で、5才くらいまでは裕福な方でした。でもあるとき、知人の保証人になった父が大きな負債を背負って、何もかも失いました。家もなくなってしまったので、雨風だけはしのげる蔵で寝起きして。その後、蔵を壊して小さな家を建てましたが、借金を返済するために1階は他人さまに貸し、私たちは2階。だから、家に対する母の思いは、よくわかっていました。

 どうにかして叶えてあげたくて、ものは試しと銀行に行ってみたんです。そうしたら、支店長さんが親切な方で「いますぐは難しいけれど、これから5年間、毎年決まった金額を積み立ててくれれば、25才でローンを組めるようにします」と。だからその通りに貯金したら、本当に25才でローンの申請が通りました。そこから予算内で探し始めて、この街に行き当たって。

三浦知良も通っていた洋食屋「トモダッチ」

 洋食屋さんの「トモダッチ」に通うようになったのは、引っ越してきてすぐです。Jリーグが発足する前でしたけど、若き日の三浦カズ(知良)くんも来ていて、お話しするようになったり……懐かしいな。

 娘が生まれてからは、野菜を中心にした料理ばかり作っていました。彼女の体のためを思ってのことでしたけど、なんでもやりすぎはダメですね。小学校に入ってすぐ、彼女が急に野菜を嫌がるようになってしまいました。

 でも、トモダッチのロールキャベツに限っては、ペロッと平らげるんです。娘にとっては最初に知った外食だし、ご馳走だったのでしょう。サイズは大きいけれど、優しい味だから胃もたれなし。たしか、隠し味にははちみつを使っていたはずです。残念ながら、20年ほど前に店仕舞いしてしまいました。

 同じ場所に長く住むと、街の変化がよくわかります。トモダッチだけじゃなく、名店といわれたお寿司屋さんの青柳も閉めたし、私の家だって2度目の大改造です。最初の建て替えは36才のとき、不妊治療をやめたタイミングでした。子供を持たない新しい人生のために設計したのですが、工事が始まったときに妊娠がわかりました。それで急いでまた設計を変更して、今回のリフォームは30年ぶりの大改造ですね。

 いまは、娘夫婦が1階に暮らしています。水回りも何も分離した完全2世帯住宅ですが、 朝が早い2人に朝ごはんだけは私が作って仲よく食べてます。

 彼にも、娘が好きだったロールキャベツを食べさせてあげたいなあ、なんて思うときもあります。

娘と七五三のお祝い。「約11年間、不妊治療を続けていましたが、35才で左の卵管を切除したのをきっかけに、治療を諦めると決めました。その矢先に授かった娘は、私の宝です」(秋野さん)

娘と七五三のお祝い。「約11年間、不妊治療を続けていましたが、35才で左の卵管を切除したのをきっかけに、治療を諦めると決めました。その矢先に授かった娘は、私の宝です」(秋野さん)

野菜嫌いだった娘がペロッと平らげたロールキャベツ

《材料》(3人前)

キャベツの葉:大6~9枚 合いびき肉…540g 白米…60g 玉ねぎのすりおろし…大さじ2 はちみつ…大さじ1 ナツメグ…小さじ1 塩・こしょう…各少量

[煮汁A]
粗こしトマト…300g 水…2カップ はちみつ…大さじ2 固形ブイヨン…2個 ローリエ…1枚 オリーブオイル…大さじ1 にんにくみじん切り…1かけ分 塩・こしょう…適量

[仕上用ソースB]
粗こしトマト…50g デミグラスソース(市販) 水…各大さじ2 トマトケチャップ…大さじ1 はちみつ…大さじ1

サワークリーム…適量
お好みの付け合わせ…じゃがいも・にんじん・ブロッコリー・イタリアンパセリなど各適量

関連記事

トピックス

沢口靖子
《新たな刑事モノ挑戦も「合ってない」の声も》沢口靖子、主演するフジ月9『絶対零度』が苦戦している理由と新たな”持ち味”への期待 俳優として『科捜研の女』“その後”はどうなる?  
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
家族が失踪した時、残された側の思いとは(イメージ)
「お父さんが死んじゃった」家族が失踪…その時“残された側”にできることとは「捜索願を出しても、警察はなにもしてくれない」《年間の行方不明者は約9万人》
NEWSポストセブン
19歳の時に性別適合手術を受けたタレント・はるな愛(時事通信フォト)
《私たちは女じゃない》性別適合手術から35年のタレント・はるな愛、親には“相談しない”⋯初めての術例に挑む執刀医に体を託して切り拓いた人生
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン