芸能

《真のボランティア》杉良太郎が能登半島地震の炊き出しで称賛、高齢被災者を感激させた気遣いと”永遠のスター”の力

被災地を訪れる杉良太郎

金沢市内の避難所を訪れる杉良太郎(1月19日)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップするNEWSポストセブンの連載。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、能登半島地震の避難所を訪れ、炊き出しを行い、物資を差し入れるなどした杉良太郎(79才)について。

 * * *
「号泣する車いす姿の80代女性の背中にそっと手を当てる杉」という写真を見て、それでもまだ彼に対して「偽善者」「売名行為」とSNS上で叩ける者がいるということが不思議でならない。

 御年79才という俳優で歌手の杉良太郎さんが、能登半島地震の避難所をめぐり、完全自腹で炊き出しを行ったという。その様子が1月22日のNEWSポストセブン「【被災者が号泣】杉良太郎「売名?どうだっていい」能登半島で完全自腹の炊き出し、私財40億円の”偽善”」に掲載されている。

 記事によると、杉さんはこの日、寒さ厳しい避難所の外で、自ら考案したメニューの肉うどんを振る舞った。車いす姿の80代の女性は杉さんの手を握って号泣し、うどんを手渡された70代の女性は「顔見ただけで元気が出ました」と感激したという。被災地の避難所にはこれまで、滝沢秀明氏ひきいるTOBE所属のタレントらタッキー軍団をはじめ、数多くの芸能人、有名人が炊き出しに訪れているが、年代的には比較的若い人たちが多い。NHK紅白歌合戦ではないが、70代80代のお年寄りにとっては、若いタレントやアイドルが来てくれても、それが誰なのか残念ながらピンとこないのではないだろうか。

 その点、杉さんはこの女性らと同世代だ。彼女たちは『遠山の金さん』『新五捕物帳』といった時代劇などに親しんできた。彼女たちにとっては若手のアイドルたちより、杉さんの方が親しみがあり、会えば力づけられる相手だろう。いくら年を重ねても、時代が流れても、自分たちにとっては”永遠のスター”だからだ。

 ところで、カウンセリングには「ピアカウンセリング」という手法がある。ピアは仲間や対等な立場の人という意味で、同じような背景や立場、悩みを抱えた人たちが話を聞き合うものをいう。お年寄りと杉さんの関係はピアではないし、話しを聞き合うようなものでもないが、同世代という共通点はある。同世代でなければわからないこと、気が付かないこともあるはずだ。それに同世代だからこそ、素直に沁みてくる優しさや受け入れられる暖かさもあると思う。だからこそ彼女らが杉さんの手を握って号泣し、感激したのではないだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン