小さい「足のサイズ」が武器に

 そんな佐渡ヶ嶽部屋を築き上げて2007年に亡くなった先代(元・琴櫻)は「新弟子スカウト力」が抜きん出ていた。同時代に部屋を構え、本誌・週刊ポストに角界の内幕を暴露していた元大鳴戸親方(元関脇・高鉄山)がこんな話をしていた。

「角界一の大所帯の佐渡ヶ嶽。この部屋のスカウトのやり方は、親方連中の間でもちょっとした評判になっている。佐渡ヶ嶽はこの世界では足のサイズが小さいことで有名。この自分の欠点をスカウトに応用しているから凄い。スカウト先では、帰る時にそこに脱いである青年の靴と自分の靴を比べ、“この足の大きさなら横綱間違いなし。元横綱の私の足と比べてみてください”と言っていつも持ち上げる」

 巧みな話術で有望な新弟子候補やその親の心を掴んでいたというのだ。加えて、支度金の用意なども豊富だったと元大鳴戸親方は証言していた。

「押尾川(元大関・大麒麟=当時)のところに入門が決まっていた新弟子を強引に奪って大喧嘩になったこともあったし、他の部屋に入門が決まっていた学生横綱の入門先をひっくり返したという話も親方衆の間で評判となった」

 元大関・貴ノ花の二子山部屋では学生出身力士を取らないことで知られているが、入門予定だった学生力士が佐渡ヶ嶽部屋に入門したのがきっかけでそうした方針が取られるようになったといわれている。

 新大関・琴ノ若は、高校卒業後に父が師匠を務める佐渡ヶ嶽部屋に入門した。ただ、“初土俵”は生後8か月、父の地元・山形の巡業でのことだったという。3歳から部屋の稽古場で祖父(元・琴櫻)の英才教育を受けた。稽古場では横に座って見学し、大関か横綱になれば「琴櫻」の四股名を名乗ることを許されていた。

 入門当初から「琴櫻の孫、琴ノ若の息子」という重圧に耐えながら勝ち星を重ね、ついに父の番付を上回った。抜群のスカウト力を誇った先代が早くから素質に着目し、大切に育ててきた正真正銘の逸材ということだろう。

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