2022年政治資金パーティー「ぼろ儲け」ランキング(その1)
自民党の派閥や議員は政治資金パーティーという“隠れ蓑”を使って事実上の政治献金を集め、さらに収入の一部を隠して裏金にしていた。自民党がアンケート調査した「記載漏れ」の金額は氷山の一角であり、政治資金パーティーの全体像を明らかにしなければ問題の本質は見えない。
そこで本誌は自民党の衆参376人の国会議員全員の2022年分の政治資金収支報告書を調査し、政治資金パーティーの実態を分析した。
別掲のリストは、議員ごとの年間のパーティー収入から費用を引いた「利益総額」の上位30人のランキングである。
首相は“闇パーティー”も
トップ3はいずれも大物議員だ。
1位は武田良太・元総務相。裏金事件渦中の昨年12月にも政治資金パーティーを開き、「パーティーは重要な政治活動」と言ってのけた議員だ。二階派事務総長を務め、同派の裏金事件では派閥から受けた寄附1172万円の不記載が発覚している。
武田氏は2022年に5回のパーティーを開いて収入合計は約2億4110万円、かかった費用の総額は「会場費」「案内状の印刷代」など約2054万円で、差し引き約2億2056万円もの利益をあげた。利益率はなんと91.5%にのぼる。
岸田首相は2位につけた。7回開催で合計約1億5510万円を集め、経費は約1901万円。約1億3609万円の利益を得た。利益率も87.7%となっている。
これほど派手にパーティーを開きまくる首相は異例中の異例だろう。
それというのも、2001年に閣議決定された「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(2014年改正)で、大臣ら政務3役は、〈政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する〉と定めているからだ。
にもかかわらず岸田首相は平然と7回もパーティーを開き、そのうち6回は政治資金規正法で「特定パーティー」に分類される収入1000万円以上の大規模なものだった。なかには収入が3000万円を超えるものもあった。大臣規範違反は言い逃れようがない。
それだけではない。