ターゲット層を絞る番組と好対照の老若男女を対象にした番組
2月12日から18日の週間視聴率ランキングを見ると、『仮装大賞』は個人視聴率でNHK連続テレビ小説『ブギウギ』、テレビ朝日の『ザワつく!金曜日』に次いで3位タイ、世帯視聴率で11位タイといずれも高かった。
「この結果を見ると、1人ではなく家族で視聴した形跡がうかがえます。世帯視聴率は住人の1名でも見ていれば、カウントされます。例えば、5世帯のうち2世帯のテレビが付いていれば、世帯視聴率は40%です。家庭内の視聴者が1名でも4名でも、その数字は変わりません。一方、個人視聴率は世帯の中で何人見ていたかまで計ります。仮に5世帯に20人住んでいて、2人しか見ていなかったら、個人視聴率は10%です。6人見ていれば、30%になります。家族で見られる番組だったからこそ、『仮装大賞』は個人視聴率で週間3位になったのでしょう」(前出・テレビ局関係者。以下同)
昭和50年代、萩本欽一は『欽ドン!』『欽ちゃんのどこまでやるの!』『ぴったしカンカン』などの人気番組を作り、“視聴率100%男”と呼ばれた。昭和54年の大晦日に始まった『仮装大賞』含め、家族全員で見られる番組だった。
「今は趣味嗜好が多様化し、世代を超えて同じ番組を見る時代ではなくなったと言われます。その傾向もあって、世帯視聴率ではなくコア視聴率(主に50歳未満を対象)という評価基準ができた面もある。そのため、ターゲット層を絞って作る番組がたくさんある。しかし、仮装大賞は“世代を問わずに見られる番組”で、実際に数字も獲った。逆に言えば、今でも老若男女を対象にした番組は作れる。全世代が面白いと感じるコンテンツは存在するんですね」
テレビ界は『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』の高視聴率をどう受け止めるか。