戦隊メンバー全員が王国の「王様」で、仲間同士でも本心を明かさない政治劇の側面を持った作品(c)テレビ朝日・東映AG・東映
「ジャンプ」を参考に執筆
本作の執筆に当たり高野は、『週刊少年ジャンプ』に掲載されているような少年マンガの作劇を参考にしたという。
「30歳の僕が小学生の頃に直撃したのが『ONE PIECE』や『HUNTER×HUNTER』で。あと『アイシールド21』とかも大好きで、今も『少年ジャンプ』を定期購読しているんです。昔は漫画家になりたかった、というか、いまもその夢は捨ててなくて、荒木飛呂彦先生や藤田和日郎先生が書いたマンガ術の本とかも読んで勉強もしていたんです。
「自分がもし『ジャンプ』で連載したらどうするか」「これだったら最後まで見てくれるんじゃないか」っていうことを考えて、『キングオージャー』は少年マンガのセオリーで書いていましたね」
大森との最初のブレスト会議の際には、戦隊のメンバーのキャラクターを考え、そのイメージを正確に共有するために、イメージ画像も用意した。「今回の企画はビジュアルが何よりも大事」だと直感したからだ。そんな高野のイメージを監督の上堀内佳寿也が具現化して、圧倒的なビジュアルのキャラクターを作ってくれた。
「『ジャンプ』はキャラ立ちを重視するメソッドがありますよね。やっぱり1年間見てもらうためにはキャラクターを好きになってもらえないといけないと思うんです。たとえば、他人に『あれ良かったよ』って勧めるときって、お話をちゃんと説明することって少ない。『誰々がカッコいい』とか『この人のこのセリフがめっちゃ良かった』とか、“このキャラが好き”っていう話の方が広がっていく。もちろん物語もがんばるんですけど、気持ちとしてはこの1行のセリフだけ、この1シーンだけ覚えてくれればいいという気持ちで書いています。
あと今作では、1話だけしか出ないゲストキャラってほぼいないんですよ。それもジャンプメソッド。新キャラが出ると、どんなに魅力的なキャラでも作品の人気が一旦落ちることが多いんですって」